啓発舎

マジすか? マジすよ

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

お茶の世界の聖と俗

先日、紫野のある塔頭のお茶会で薄茶をいただいて、時空が凍りつくような空間の美しさを体感した。 障子越しの光が部屋の隅に陰影を作る、その柔らかな感触。 開け放った窓越しの緑の清冽さ。 余韻はまだ残っています。 お茶の世界の、美を様式化し固定する…

姜尚中氏登場

新日曜美術館シリーズ。 姜尚中だ。 姜さんといえば、とっくりだが、この季節でタートルネックを封じられ、おやじの休日スタイル。 顔、物腰、声、が見事に一致している。 健全な知性。 20代後半にドイツで嵐に会う。 朽ちる、不安、という言葉を頻繁に発…

大徳寺 月釜

大徳寺 月釜。 ノックアウトされました。整理つかず。 久田宗也宗匠の佇まい。 聚光院での法要のあいだ、心持ち右のほうにおつむりを傾げられてきちんと正座されるお姿。当方からご尊顔を拝謁すると、背景に障子があり、かすかな逆光があたかも光背のようで…

昨日、藤林益三氏の訃報に接した。 日経の「私の履歴書」は長年読んでいるが、今に至るも、この方が書かれた1ヶ月を凌駕する感動を受けたことはない。 手元に資料がないが、未だに大筋は辿れる。 京都での少年時代。樽拾い。苦学。弁護士としての矜持。キリ…

琵琶湖畔のたおやかさ

電車に乗って、山科から湖西に抜けるあたりには、独特の風情がある。 京都まではりつめていた体の芯が、山科を過ぎたあたりで溶け出して、堅田を過ぎる頃には、ふにゃふにゃになる。そんな感じ。 車窓から琵琶湖を眺めると、水平の湖岸に低い山並み。平らに…

自分をなんとよぶか

一人称単数をなんと表記するか、というのは、結構大きな問題だ。 このブログでは「当方」と言っているのだが、実は、自分で使っていて、正直、しっくりこない。 かといって、私、オレ、ぼく、いずれもピンとこない。 なんで、今さらこんなことを言うかという…

杉良太郎さま

NHKで杉良太郎が喋っていた。新日曜美術館。 スリリング。 変な奴、全開。 もっくんと好一対の妖しさ(永井荷風先生から借用)。 壇ふみさんも、つられてだんだんあでやかになるぜ。この人、ゲスト次第でほんとに雰囲気かわる。素直な人です。 それはともかく…

テレ朝 週刊新潮 など

雨の日曜日。寓居の北向きの窓からは竹薮の新緑が、西の窓からは遅咲きの桜が、季節を伝えてくれます。 桜の種類にはうといのだが、花と葉っぱが同時に咲くのも面白い。 疲れピーク。 午前中に一瞬すごい番組にチャンネルがあってしまったせいもあるか。サン…

演奏会 雑感

いささか旧聞に属するが、日経の文化往来(4月19日付け)で、演奏会の紹介記事があった。 ベートーベン協奏曲全曲演奏会 ピアノ協奏曲5曲を一日がかりでやる、と。 ピアノ 中村紘子 氏 指揮 大友直人 氏 すげえ企画。 今回の独奏者については、当人目当て…

せぬひま と 観世喜正師

4月13日(金) 「せぬひま」公演 大江能楽堂 ○素囃子『神舞』 笛:森田保美 小鼓:吉阪一郎 大鼓:河村大 太鼓:前川光範 ○一調『錦木』 謡:片山清司 小鼓:観世新九郎 ○一調『橋弁慶』 謡:観世喜正 小鼓:吉阪一郎 ○一調『杜若』 謡:吉浪壽晃 太鼓:観…

長浜曳山まつりに心ゆさぶられる

実は、12日の木曜日から、連夜帰宅は10時過ぎ。今夜も今しがた帰ったばかり。 木曜日はお茶の稽古、金曜お能、土曜花見、そして今日は歌舞伎(後述)、いずれも遊び、誰のせいでもない、自分が好き勝手やってるだけだ。 なんだか、楽しいぞ。 お能は「せぬ…

坂本龍一氏の思ひ出 

ウォークマンを導入して以来、通勤の環境が劇的に改善した。 ひとつは耳栓効果、もうひとつは音楽が聴けること(あたりまえか)。 CD20枚分ぐらい一挙に入れて、とっかえひっかえ聞いているのだが、自ずから良く聞く曲とそうでもない曲がはっきりする。 毎日…

永井荷風の貫禄

たまたま江藤淳氏の「荷風散策」を拾い読みしていたら、断腸亭日乗からの抜書きで、うなるものがあった。孫引きになるが、以下採録します。 「・・・・・・谷中氏に逢ふ。同氏のはなしにこの日の午後文士高見順踊子ニ三人を伴ひオペラ館客席に来れるを見たり。原稿…

日頃のご愛顧に感謝して、謹言す。

このブログを始めて、そろそろ1年になる。細々と1年もやってると、全般につきご意見をいただくことがある。 大きく分けると、以下の2つに収斂するようだ。・いつもお気楽に好きなことばかりして、なんか、楽しそうでいいですね。 悉く、女。 ・いつまで韜…

三井寺に遊ぶ

今日は三井寺です。琵琶湖のほとり。 朝から春らしい、ぼんやり霞がかかったいいお天気です。 広々とした伽藍の中に、満開の花が点在しています。 花見はこうでないと。 お店でそばをたぐりビールを飲む。 この国に生まれ育ってよかった、としみじみ思うひと…

恒例 京都花見ひとり旅

京都で花見。 10時ごろ京都駅。 京都御所へ。二週連続。糸桜は終わってました。 京都御所一般公開で、雅楽の公演に遭遇。 緩やかな舞い。 能ばかりみているせいか、舞いの動きは少し緩慢に感じられました。 やおら中腰になったかと思うと、両手でコマネチ…

書名 日本文化における時間と空間 著者 加藤周一 出版社 岩波書店 近頃本を読んで、このくらい、言いたいことが噴出したことはない。 どこから手をつけていいかわからない。 当方、この2年間、ずっと、わだかまっていたのが、まさに「日本文化における時間…

米軍バンド

毎週火曜日はスポーツクラブ。 このところ、クロールきっちり1000メートル泳いでいる。 気分は北島だぜ、気分だけは。泳ぎも違うか。平泳ぎじゃないし。 しかし、休み休みやっと1000メートル消化してサウナでひーひー言ってると、1500メートル自…

芭蕉と桜

午後、仕事場の近くの桜をぼんやりながめていて、芭蕉の句が浮かんだ。 さまざまの こと思い出す 桜かな さっと読み下すと、俳句だか、ひとりごとだかわからないようなすらっとした句だが、しみじみ名句だと思います。 ほんとに、桜を見ていると、そのころあ…

眠りの森へ

ハナレグミの歌のタイトルではない。当方の昼寝の話。 午後、寝転んで本を読んでいたら、気絶するように眠りに落ちたようだ。 眠りから醒めるというより、意識を回復るという感じ。 深海から浮上するような。たっぷり小一時間かけて海面に浮上。 なんとも甘…