定借を導入することに決めてから、はじめての申し込みがあった。
例によって、だんなはおとなしいが女房が、というのが担当者の見立て。
普通だったら躊躇するところ、あっさりOKがだせる。
2年で叩き出せばよい。
なにがあっても2年の辛抱。
気楽である。
なぜ、もっと早くこれに気づかなかったか。
それで思ったこと。
およそ、ヒトとの関係を、全部これにできないか。
もちろん、銭金以外。
銭金は、金の切れ目が縁の切れ目だから、もともと、ずるずる後引くことはない。
大家と店子関係はその例外で、これは法律が、金が切れても当然には縁が切れないように決めてしまったから。
法律が守られるのは、だってそれが法律なんだから、という無限循環論法になるから、ここで法律をあげつらうのはやめる。むだだ。
むしろ旗で改正をデモるのは、なんとか大家の会にまかせる。
ただひとつ、定期借家、という手法だけ、切ることができる。
もちろん契約期間が終了してのことだから、正確には、切る、のではなく、当然に終了する、というだけのことだが。
ところで、銭金以外は、どうか。
そもそも、当初約定がないから、切る切らない、のやりとりになじまない。
これを。
あえて。
とりあえず、半年間、やりとりしましょう。
お互い特段の意思表示なければそれで終了、と。
これで、ヒトヒト関係は、革命的に、改善する。
おれの場合。
少なくとも、気持ちは楽になる。
決めた。
楽になった。