昔、ポパイだかブルータスで、小野耕世が、海外のマンガの紹介で、MADをとりあげた。MAD自体はガキのわるふざけで、当時でも退屈な印象だったが、なかにひとつだけ、妙に心に残るヒトこまマンガがあった。
リビングでくつろぐ身なりの良い親子の絵。
キャプションは以下。
お父さんの仕事はなに。
お父さんはごろつきでね、MADの編集をやっているんだ。
当時は、当然これを逆説と受けとって、かっこいい、と思ったのですね。
学生の頃、ゴールデン街の行きつけの店で野球チームを組んで遊んでいた同級生がいて、そいつは朝日にはいった。
やさぐれ、を演じているようなところがあったが、いまどうしているか。
ふらて、とかいったか、店はいまどうなっているか。
当時、白状するが、ジャーナリストは進路の選択肢にはいっていた。そっちにいかなかったのは、荒波に乗り出す自信がなかったんですね。
だから、そいつの就職は、志なく民間を選んだおれには、すこし、まぶしく思えた。
いまは、賎業、で衆目一致、これには誰も異論ない。
なりはてたのか、もともとヒトの劣情を刺戟するだけの業界だったのか。
新潮なんてまだ可愛いほうだ、朝日、産経に比べれば。
この件は、こうやって書いている、知力、はつかってねえな、体力か、がもったいないので、もうやめる。