啓発舎

マジすか? マジすよ

午後の用事まで時間ができたので、最近読んだ本のことなど。

ロンドンで本を読む 丸谷才一

井筒俊彦 道の手帖

いずれも四番町の図書館で借りた。

書評のほうは、毎晩寝しなに少しずつ読んでいる。
おとな、ということですね。
内容などどうでもいい、だいたいのことはやりました、静かに過ごしたいです、というおやじの諦念に快い。
本を読むのが、愉しい、という本はわりと久しぶり。
丸谷氏のコメントもじゃまじゃない。

おれが読んだなかでは、イーヴリン ウォーがグレアム グリーンを論評した書評で、カトリックについてめずらしく韜晦せず「まじめに」言及している箇所が圧巻。これは丸谷氏も触れていないので、おれが言っておく。



井筒氏のやつは、逆に、座って読む本、スリリング。
この種のムックって、崇拝者の同工異曲寄せ集めになりがち、そのくせ結構値が張るので買って読まないのだが、図書館なので借りた。図書館はパラダイスですよ。

これは、いいぞ。割合まともな書き手を集めている、責任編集者の片方を除いては。
なかでも、池内恵氏の「井筒さんのイスラーム理解はご自身の興味のありどころに偏っているのではないか」という問いかけは秀逸。
 イスラーム思想の核は法学なんだそうだ。へえ。それが井筒さんのイスラーム関連の著作にあまり言及されていない、と。