啓発舎

マジすか? マジすよ

第1780回 定期公演 Bプログラム
2014年4月23日(水)サントリーホール
R. シュトラウス/祝典前奏曲 作品61
R. シュトラウス紀元2600年祝典曲 作品84
R. シュトラウスバレエ音楽「ヨセフの伝説」作品63

指揮:ネーメ・ヤルヴィ



凄いコンサートだった。


6時半には会場に着き、フィルハーモニー(会報)をもらって席に着こうとドアを開けたら、ステージでは、既に演奏が始まっていた・・・かのような、音、およびその音を発するステージ上の人、人。
本番直前だというのに、みんなさらっているのですよ。
30人はいたな、ほんとに。
チェロなんか、5人弾いてましたからちょうど半分です。
なんだかやたらに早いパッセージを繰り返しやっていました。
ステージにはハープ4台、チェレスタ、ピアノ、鐘だのなんだのの打楽器群。
オルガン。その隣にはバンダの譜面台。

なんか、とてつもないことが起こる予感。


で、その、とてつもないことが起きた。


三曲通し、初めから終わりまで、ずっとピーク。
八ヶ岳縦走。


これでもか、という音圧。
で、アンサンブルは精緻。

ヤルヴィパパ完勝。


なにしろ分厚い。

以下、感想順不同。
◆1Vnの二列目の二人がソロをとりコンマスおよびトップサイドが、手持無沙汰というシーンがあって、少し笑えた。
ヴィオラソロが、コンマスとかチェロトップとからむのだが、つややかで美しい音。
チェレスタ大活躍。
◆全楽器群強奏が、三曲ともやたらあり、増員した金管と弾きまくる弦の板挟みで木管が少し割り食っているようなところもあったが、メインの「ヨセフの伝説」では、たぶん色っぽいシーンだと思うのだけど、ハープ4台とフルート、その他木管で見せ場を作っていました。
◆リヒャルトは、自分の生涯で、要は、こういうことをやりたかったのだな、ということが肚から納得した。
◆生演奏で、かつてこれより豊穣で輝かしく秩序を保ち各楽器の分離もよく、そしてなにより、でかい音に満たされた空間に居合わせたことはない。

◆三曲目はダンスミュージックだから曲想がしょっちゅう変わる。たおやかな流れ、荒々しい咆哮、不気味な重い塊。
全編リヒャルト節といえばそれまでですが、パパは、クールに振り分けていた、N響もしっかりついていっていた。
なにより、今夜は団員が一番フィーバーしていたのではないかね。


こういうの、ありだと思う。
1年に一回ぐらいは、こういう、全曲ひたすら景気良いプログラムをこれからもやったらどうか、事務局は。発表された14〜15年のプロはすこしイマイチ感あるぞ。


ともあれ、今夜は、パパヤルヴィの会心の一撃をくらって、ノックアウトされました。
緻密なスコア読み込み、が、実はキーワードかもしれない。