啓発舎

マジすか? マジすよ

ブロムシュテットさんのブラ1

昨夜はN響

第1760回 定期公演 Bプログラム
2013年9月11日(水) 7:00pm
サントリーホール
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ブラームス/大学祝典序曲 作品80
ブラームスハイドンの主題による変奏曲 作品56a
ブラームス交響曲 第1番 ハ短調 作品68

好々爺。

今回は、この一言。

ハイドンバリエーションで、あれ、というきざしはあった。
この曲、実は来年おいらのアマオケでもやるのだが、弦はひたすら下積みできざんだりアルペジオだったりして管がのびのび腕前を発揮するという曲。
マチュアオケでいうと、管の乗り番消化曲。
ところが、、その木管が微妙に重たいんですね。もちろんフレージングは美しく、それだけ聞くと素晴らしいのですが。弦に、木管にあわせろよ、とうのは、この曲の場合弦に酷。
では、弦はどうか。ブロムシュテットさんだから弦も気合いれて弾くのだが、フォルテが溶け合わない。みんなが力んで弾いている大きな音がそのまま雑然と聞こえる。これはブラームスとしては致命的ですよ。

で、休憩。さあ、ブラ1どうなるか、と思いながらビール飲んだですよ、はらはらして。ほんとに。

音色は前半と同じ。フォルテでは、それぞれの奏者の力みのベクトルのずれが、そのまま単に巨大な音量になる。後半になると、これは聞いていてちょっときつかった。
テンポ。緊張はあるが弛緩がない。いずれテレビでもやるだろうから確認したいが、ほとんどインテンポ感。
ダイナミクス。二楽章のヴァイオリンソロ。木管が音量落とさないから、堀氏の音が切れ切れですよ。
堀氏をかばうつもりはさささらないが。
終楽章は高揚感というより、やけっぱちの咆哮という印象。

終演では、例の通りの大喝采
ブロムシュテットさんも自分で管まで歩み寄り拍手でねぎらい、堀氏を抱擁というパフォーマンスではしゃいでいました。


おととしのブルックナーは、魂が震えた。それまではいつも雲におおわれていたブルックナーという巨峰の全貌を、はじめてまのあたりにした、という感動があった。私もスタンディングオヴェーションに参加した。


その時空間は、今回は再現しなかった。


もちろんコンサートは一回きりのものだから、過去の印象をひきずるのはよろしくない。
それはわかる。

だが、それにしても、この落差は・・・

加齢に応じた自然の成熟ということか。
来年9月もマエストロ登板とのこと、ご健康にはくれぐれもご留意されてお元気なお姿を拝謁いたしたい。