啓発舎

マジすか? マジすよ

本のはなし

久しぶりに本のはなし。
環境の変化があっておととい荻窪の図書館にいた。拙宅から自転車で3分。
図書館に半日近くいるというのは、何年ぶりか。
有栖川の図書館に長居していたのはもう3年以上まえか。

15冊貸してくれるというので嬉しくなって書架をうろうろしたのだが、結局2冊。
「信じない人のための<宗教>講義」中村圭志 著 みすず書房
「ピアニストは指先で考える」青柳いずみこ 著 中央公論新社

両方、あたり。
文章がいい、ふたりとも。

とくに宗教のほう。
宗教といわれてるものを相対化して俯瞰する、という作業を割合軽やかに行っている。
最終章で「時代の中の宗教」として、筆者の考えを、少し照れながらまとめているが、全く同感。

こんな感じか。

宗教と世俗の線引きは、難しい、という前提
だが、それをわけようとすることには意味がある。
・合理的な社会制度がシステム化され、宗教なる一般概念を否定すると、このシステムに対する根本的な反省のとっかかりがなくなる。
・この功利性追求の世界のなかで、ひとびとはアナザーワールドを希求する。そのなかでオルタナティヴの構築に向けて努力することは自然な営み。そうして求められる世界は、どうしても人類体験にとって普遍的な世界、つまり一個の「宗教」のように語られるでしょう。

社会、とか、制度から光を当てた場合、という前提をおくが、上の見解にまったく同感。体レベルでしっくりくる。

個が個の中に深化する、社会・制度を離れた、純粋な個と普遍をゆらゆらする、というスタンスだと、またちょっと違うニュアンスもあるように思うが。

もとより、本書は、およそ一般の人間の営為のなかで宗教を論じているから、個の論点は割合注意深くさけられている。それはそれでよい。

頭の整理に大いに役立つ。
キリスト、イスラムについては、メジャーですから、なんというか「うがった見方」もいろいろあって、どこかで聞いたな感もあるのですが、インド関連の言及は秀逸。


ピアノのほうのはなし。
感想。たいへんねえ。




あと2週間。