建仁寺に風神雷神図を見に行く。
10年ぶりの里帰り、と。
雄渾な筆さばき。迫力ありました。
割合、さっさと無造作に描いているかんじ。
建仁寺は、お寺の敷地の中を素通りしたことは、何回もあるけれど、方丈にはいるのは初めて。
お庭が、素晴らしかった。
中庭の潮音庭も、苔と石の端正ないいお庭だけれど、その名も「大雄苑」(だいおうえん、と読むらしい)という方丈の庭が、なんとも。
心が広かるような、のびやかな、おおらかな、空間。
方丈の南面から西側にかけて白砂に緑苔、巨岩を配しているのですが、その南西の角から南、西をそれぞれ臨むのがこの庭を見る一番の位置だと思う。かれこれ1時間以上いて、あらゆる角度から見てみたが。
午後の日ざしが白砂に木漏れ日をつくり、風にあわせゆらゆらとゆれる
時に、木の葉が落ちる。
苔、石は、静寂そのもの。
ずっとみていると、木だの石だのは抽象化し、「空間」そのものが現出する。
それと、時間の流れ。
この庭は凄いです。
文句なく、京都一。
圧倒的な体験の余韻をさますため、広いお寺の中を散歩していたら、塔頭の久昌院というところで、お茶いかがですか、と黒上下のリクルートスタイルのお嬢さんに呼び止められる。みると、門に「在釜」という例の半紙の書付がはってある。京都女子大学茶道部が釜を掛けていたのですね。
なりゆきで、よばれることにする。
薮の内さんの流派のようでした。
気持ちのよいお茶会でした。
そうこうするうちに予約の時間。
今日は、「まとの」でお昼をいただくことに。
お店が北山にあったころ、3年ほど前一度伺ってたいへんいい印象をもっていたが、この辺りに移られたとは聞いていたのだが、うかがう機会がなかった。
今回、建仁寺に行くと決めて、そういえば、と思いついた次第。
西門から2軒となり、というロケーション。
ご主人の心のこもった料理はどれもおいしく、2時間あっというまに過ぎました。
ビール、冷酒(千寿)でいい気持ちになり、酔い覚ましの散歩は、八坂神社から円山公園を登りつめ、智恩院へ。
東山の新緑心地よし。
長楽寺のあたりには、まだ消防車が一台とまっていました。
河原町へ。
高島屋で、表千家の展示会の看板が。
「無料」につられのぞいてみる。
当代自作のお茶碗とか、いろいろ展示してありましたが、白眉は、表千家茶道を紹介した30分のビデオ。
久田宗匠ご出演は、NHKなんかと一緒ですが、今回のVTRは、なにしろ映像が美しい。
部屋の奥にカメラを据え、自然光を活かして所作を写す。
広間の茶室の清冽な、青い空気まで写すような。
作成したのは、テレコムスタッフとかいったな。
音楽 溝口肇氏もぴったりでした。
というわけで、盛りだくさんな一日。