秋晴れ。ふと思い立って、紫野大徳寺へ。お目当ての半分ぐらいは和久傳のお昼。
大徳寺は久しぶり。1年ぶりぐらいか。前回は、高桐院だけにお邪魔したと思う。
今回は、龍源院。
素晴らしかった。
方丈の南北に大きなお庭がふとつあり、それぞれに美しい。禅のお庭らしい、凛とした気品があります。禅の臭さ、茶の作意のいずれも免れている。
方丈前の石庭は、右手に大ぶりの石組みを配置し、左手前に苔の島があるだけの、簡素な石庭です。土曜の午前中で閑散としており、小一時間ぼーっとしていました。裏手は、有名な竜吟庭。苔のお庭です。
あと、東滴壷という坪庭(写真)。
今回の収穫は、拝観をしていない塔頭の入り口の植え込みなど。
それぞれ意匠を凝らした苔のお庭があって、規範性のようなものを感じました、総体に。
美しいです。
このお寺の団地のような一画に、洗練を極めたお庭が凝集しています。
大徳寺には、正直、散漫な印象をもっていたので、すこしびっくりしました。
通常非拝観の塔頭が、秋の特別公開でふたつで1000円、と。なんか秋の大売出しのかんじ。
一度にそう沢山は見られません。またの機会にしました。
気持ちが、しん、となって、角の和久傳さんへ。
典座料理。魚、肉一切なし。
これも、堪能。
かつおのだしもとっていない、とのこと。
薄味のなかに、にがさ、しぶさ、酸味その他、微妙な味わい。
松茸も、京野菜とあわせていただきましたが、しゃきしゃき感がみずみずしく、繊細な味わい。
カウンター席10席のこじんまりした空間ですが、お店の方の過不足ない対応も誠実感あり、お酒も進みました。
きのことか、野菜とかの素材で、しかも薄い味付けで、よく、ここまでのものを実現した、と思います。心意気というか、度胸あるというか。
以前、室町の和久傳に行って、本当に失望した(デザートの、トマトのコンポートだけ良かった)ので、少し構えて行ったのですが、同じのれんのお店とは、とても思えない。
こうやってゆるゆると午後を過ごす至福。
この年になって、こういうはっとする発見が相次ぐというのは、京都の奥深さを感じます。
帰りに舟岡山。人気なし。堀川にでて帰りました。