啓発舎

マジすか? マジすよ

テレビの話。
NHKBSで「そしてだれもいなくなった」3回シリーズを全部みた。
テーマは「不機嫌な女」だった。
冒頭からそこら中にガンとばす女のアップでものの15分ぐらいで辟易はしたのだが、なんとか最後まで見通したぜ。

私はこの話が好きで好きで、それーーーーーーーーーこそ好きで、と谷岡画伯のフレーズを援用したくなるぐらい好きで、いまだに枕元の一軍本棚にハヤカワ文庫版が鎮座している。

映画は、ルネ・クレールが監督したやつを、高校のころだと思う、岩波ホールでみた。
すっきりしていて面白かった、という印象はある。結末は男女二人お手てつないでハッピーエンドはいたしかたない。

今回のは、やたらに思わせぶりなフラッシュバックがはいったり、過剰にブンガクしていてかったるいのだが、最後まで見てよかったのは、結末が原作どおりだったことだ。

俳優では、給仕の女房。すぐ死んじゃうのだが、印象は一番強い。



あとは大根があーでもないこーでもないと深刻ぶってブンガクする、例の展開。
チャールズダンスのおさえがなかったら、学芸会でした。
脚本演出ともに冗長。


とまで、酷評しておいて、三週にもわたって見続けたのは、当方が「そして誰もいなくなった」フェチであることもあるが、昨今の当方のおかれた状況が与ってちからある、といえよう。



今回の「不機嫌な女」のようないがらっぽいツラが、妙に沁みるのね、いま。