で、山上たつひこさん。
40年以上ぶりの再会だ。
当時と全く同じ個所で、おなじ感興を催す。当方の笑いのつぼが昔と全然変わらない。
改めてもの凄いエネルギーに感じ入った。
どこまで「意味」の世界をぶち壊せるか。ジャンプできるか。
体張ってますよ、これじゃ長続きはむりだ。
第一次漫才ブームは、だから、私は評価する。
西川のりお 洋七 横山やすし には、間違いなく、この、あらゆる規範を飛び越えて、真のナンセンスを極めようというぶっといベクトルがあった。
ナンセンスというとおれが最も嫌う全共闘世代のシュプレヒコールみたいな意味がこびりつく。じゃあ不条理か、というとこれはカフカを誤読する奴の決まり文句だ。
適当なことばが思いつかない。
破壊、ではないんですよ、跳躍、異次元への飛翔みたいな感覚です。
とまれ、山上画伯は、カフカとつながり、西川のりおと連帯する。
たけしを忘れていませんか。
忘れてませんよ、北野さんは、とことん「意味」の世界の住人だ。跳ばない。
「意味」の世界の中で考えて考えて考え抜いている。
「ばかばかしさ」を計算しつくしている。
優れた方だと思いますが、おれの「面白」では、ない。
新宿ばかすけ不動産が面白いのは、全く自覚なく、この跳び越えをやってしまっていることです、お受験マダムが。
おれの後半生は、こうした市井の面白を目撃し、伴走し、鑑賞するという崇高な使命に捧げたい。