図書と波が同時に届いたので、月例のブンガクをいたすぞ。
先月は身辺ばたばたでさぼってしまったが、今月は、世間のほうがまださぼってるし、当方もこのところなんだか悲観の虫にとらわれているので、ブンガクするにはもってこいだ。
今月は、めずらしく波のほうが面白だ。
◆小澤の写真集
こんな顔で睨まれたら弾けるものも弾けなくなるよ。
ったく。
未だに、クラシック、つーと、眉間に皺だと思てるんだから。
ところで、指揮者には、おれさまタイプとみなさまタイプがある。中間はない。
おれさまはわかりやすい、一般的な指揮者イメージ、唯我独尊、おれについてこい。
みなさまはタイプは、仲良くやろう、体調もあるしな、という芸風。
古くはトスカニーニ、最近では息子クライバーは、おれさま。
カラヤンは誤解されるが、実はみなさまタイプだ。
アマチュアの指揮者でもそうで、おれがどっちが好きかは言うまでもない。
この話、盛り上がるので、稿を改める。
◆山下洋輔
これこそ、おれの言う似非面白の典型、単なる自慢話で芸もなにもない。
先輩、枯れましたね。枯れていい風合いになる場合と、枯れ果てちゃうのとあるけど、書くことでは結論がでたようだ。
音楽は大丈夫ですか、最近聴いてないですけど。
◆津村記久子
この人は、実は、波では必ず読む二つの連載のうちの一つ。もう一つは後で言う。
で、なぜ読むか。
文章が気持ちいいです。風通しいいね。
風とおしの良い文章を書く人は、頭の中も風通しいいです、当方の経験則では。
本業は作家か批評が本職か知らないけど、図書で斎藤先生の連載がぶった切れたように終わってしまったので、書評はしばらくこの人を贔屓にしたい。
「城」は出向者の仕事の話、と。
読んでないが、この人がそう言い切るのだからたぶんそうなんだろう。
津村先生、カフカの笑いの要素はどうですか。おれはカフカといえばお笑いなんです不謹慎ですが。
◆大澤真幸
完結したらだれか要約してくれ。
たぶん10行ぐらいでおさまると思うから。
いや、飛ばし読みはしてますよ。
前述の津村氏と、澄むと濁るの好対照。
風通しがいい悪いというのは、こういうことです。
学者を称する奴の生き残る要諦は、濁らせてわからなくすること。
だが、しまいにはこうなる。
凡庸が露呈する。
こいつについては、これでおしまい。
◆編集室だより
はじめてまともな編集後記に接した。
おれにも言わせろ。
野坂といえば「てろてろ」です。これ一作で決まり。
◆編集長から
並み、じゃない、波で必ず読むもう一つの連載がこれ。
正直、面白い。
ニコ☆プチなんて使用する文字のたぶん7割以上は片仮名だ。
数えてみ。
そんなとこ。