啓発舎

マジすか? マジすよ

半蔵門のとなり、TOKYOMXの向かいの公園に、気の早い桜がある。午後見に行ったら、開花していました。


京都は、御所の糸桜がはやい。
関西にいた時分、毎年これが楽しみだった。
御門をくぐり、近衛の屋敷跡に近づくと、少し不安定な、妖しい心持ちになるのがわかった。
生身の女に会うときでも、こんな気分になったことはない。

10年以上たって、今日、内堀の桜をみても、もちろん全然その感興は蘇らない。
のみならず、各国語飛び交う騒ぎがまた始まるのか、と辟易だ。


この辺りだと、四谷の上智のグラウンドのところの土手が、まあまあ静かなので、今年はそこらを徘徊しますかね。




おまけ。
クラシック音楽館 新国立劇場 歌劇「松風」
番組内容
ほとばしる情念、踊りと歌が織りなす壮大なスペクタクル!ー日本を題材にした大作を次々と発表し、世界から熱い視線を浴びる作曲家、細川俊夫が気鋭の振付家サシャ・ヴァルツとタッグを組み、“前代未聞”の「コレオグラフィック・オペラ」を誕生させた。その名は、歌劇「松風」。能の名作をもとにドイツ語でオペラ化、モネ劇場での世界初演を経て今回の日本初演が実現した。異色の響きとダイナミックな演出をお楽しみいただく。
と、な。
合唱…新国立劇場合唱団,管弦楽…東京交響楽団,ダンス…サシャ・ヴァルツ&ゲスツ,指揮…デヴィッド・ロバート・コールマン,ソプラノ…イルゼ・エーレンスほか


前半は、勝ち抜きカンフー大会。
後半、松風が登場したと思ったら、貞子でした。


あの世とこの世の交錯を、能は形式の美しさで表現し、ゲルマン魂は、妖怪譚に結実する。


細川氏の音楽は、バターを塗るようで、よかった。
最近、よい音楽を形容することばが「バターを塗る」のワンフレーズだが、ほんとにそうなんだから、いい音楽だな、とうっとりする体感が、バターをパンに塗りつける感覚なのだからしかたがない。

カーリングイギリス代表スキップのお姉さんの諦念をたたえたかんばせに感動してアングロサクソン系女性の認識を改めたなどと言った舌の根もかわかないうちになんだが、今夜のゲルマンねえちゃんは、おれが何十年培ったイメージに逆戻りだ。


おっかないよ。


最後まで緊張感を失わず、厳しい音楽と映像でした。
ブラヴォ