啓発舎

マジすか? マジすよ

自転車で古本市に行ってきた。
神田古本まつり というのが正式名称だ。
なかなかの人出。
出不精なおやじをこれだけ集める神保町の威光はまだすてたもんじゃない。
みんな結構買ってるよ。
おれも岩波ホールの前のあたりで二冊購入。
一冊は堀田善衛の晩年のエッセイ。絶筆がのってると腰巻に書いてあったからつい買ってしまった。
一言芳談について。ほんとに途中までだった。
絶筆が一言芳談、というのは、しぶいね。
井筒さんも、確か、大乗起信論じゃなかったか。


そこらで開く。


当方は、一言芳談というと、食べ物の味を感じないために水をいれて食う、というくだりがまずうかぶ。
ちょっと、どうですかねえ。そこまでやるか、と思うんですよ。そんなに現世で楽しむのはいやか。
あと、浄土に行くために一刻も早く死にたい、関連の逸話のいくつか。
信長もてこずるわけだ。
堀田さんがひっぱったのは、小林秀雄がどっかで書いていたやつじゃないか、ていとうていとう、というのは。
この人は、どっちかというとエピキュリアンというイメージ、ベレー帽をかぶり海を見下ろすテラスで午後のお茶をたしなむポートレートが印象的でした。
堀田さんと一言芳談。これはこれでとりあわせの妙か。



帰り、北の丸に寄り道したら、ここもグランドジャッド島状態。平和ににぎわっている。
科学技術館よりにこじんまりした林がある、そこの小道がすこし気に入っている。
西日が差すと眩暈しそうだ。
永遠、ということばに一番近い時空間。

返景入森林 復照上青苔

ずっと頭の中で鳴っていたので、帰って、今、フォーレを聴いている。
ピアノ五重奏。二番。

世間にあわせ、私も休日してみました。いかがでせうか。