◆BBCのトランプ特集が秀逸だった。NHKBS。
トランプ自身の生い立ちもやっていて、同級生とかがあいつは昔からかわらない、と口を極めてののしっていた、泥仕合で別れた奥さんの凄い面魂、など、トランプのヒールキャラからはむしろよいしょにつながるような映像で、たいへんわかりやすい人物であることが確認されただけ。ストリップの幕間にでてくるスタンダップコメディアンとしては紛れもなく一流である。
今回新たな知見は、集会であぶりだされるトランプを支持するアメリカ国民の品性。
「でかい壁を作ってやるんだ、くまなく、な。費用は誰がもつか!」アジるトランプ。
「メキシコ!」と一斉に応える聴衆。
お約束なんですね。
アメリカが勝手に作る壁の費用をメキシコに払わせる。当然だろ、と。
無理が通れば道理は引っ込む。
この聴衆をどうイメージすると理解できるか、前に、地上波民放を見る奴、この国でいうと、と書いたが、BBC映像をみて、それはまだ甘いと気づいた。
爆買い共和国人民を当方がことさら取り上げるのは、およそこの国の人々の日常感覚と遊離した人物群の言動に日々接するからだ。そこら中を徘徊しているので、新鮮な驚きが日々更新されるからだ。
トランプの聴衆は、おそらくあまり海外にでかけないのではないだろうか、日常接していないので確かなことは言えないが、爆買いと対決させたらいい勝負ではないだろうか。
競技はにらめっこ。どっちが先に笑うか、相手の言動に。
ここで世界のフラット化、グローバル化というテーマが明らかになる。
三食ハンバーガー食ってトランプの集会で憂さ晴らしする奴、爆買い、地上波民放で松ちゃんをむさぼり見る奴は、心で疎通する。連帯する。
素晴らしいことではないか。
これに対処するには、逃げる、よける技術に磨きをかけるだけだ。