N響第1834回 定期公演 Bプログラム
バーンスタイン/「キャンディード」序曲
バーンスタイン/「オン・ザ・タウン」―「3つのダンス・エピソード」
バーンスタイン/「ウェストサイド物語」―「シンフォニック・ダンス」
マーラー/交響曲 第4番 ト長調
指揮:レナード・スラットキン
ソプラノ:安井陽子
前半は、プロムナードコンサートです。
こないだのソヒエフのチャイコといい、今回のBプロの組み立ては、こういうのが多い。
いいと思います。
キャンディードは、私的な思い出があり、学生のころ、夏の演奏旅行のアンコールでもっていった曲で、小中学生相手に昼やる音楽教室を含めると、本番10回以上やりました。
おもちゃ箱をひっくり返したような曲で、わりと手の込んだ変拍子が随所にあり演奏の成否はリズムにかかるんですが、N響はさすがですね。
ウエストサイドとか、残りの曲も、そんなかんじ。
金管は、もっと遊んでもよかったかもしれない。
後半マーラー4番。
つい最近広上さんの好演がありましたね。
スラットキンさんは、何年かまえショスタコの素晴らしい演奏が記憶に残りますが、今回は、なんというか、律儀な演奏でありました。
歌手の方も可憐に歌っていらっしゃいましたが、今回は、三楽章が印象的でした。
演奏中、こんなことを考えながら聴いていました。
だんだん年をとってくると、音楽の嗜好がかわるところがある。
私の場合マーラーがまさにそれで、若いころは、どしゃめしゃカッコいい、と無邪気に聴いていたのが、年をとるにつれちょっとなあ、という感じにかわってきました。
マーラーの癖で、レントラーとか、ゆっくり、おっとりした旋律を、例えばチェロが奏でていると、突如激しい音の洪水が、ということがよくあります。
気持ちはわかるんだけど、わかりやすいんだけど、人間の生理で、マーラーの才能が紡ぎ出すアダージョの美しい旋律、たとえば復活の二楽章、を聴いていて、突如ガーンとやられると、年にはこたえるわけです、演出意図はわかるけど。
マーラーが勝手にブンガクするのは自由だが、聴くこっちにも都合がある。
青臭い、というか、しゃらくせえ、というか。
今回の演奏の三楽章は、その対比が律儀に表現されていていたので、終楽章の歌も、天国的とかいってられないよな、という雰囲気にのっかって始まったのでした。
ライブの演奏会は、こういう体験ができるのがいいです。
しんみりビール飲みました。