啓発舎

マジすか? マジすよ

◆寝るときは、本を手にとる。40年来の習慣。昨夜たまたま書棚からフーシェをひろってしまい、寝るどころか起きてしまった。よくあることだが。
 奥付けをみると1976年1月20日。第二刷。
 駒場政治学の授業で、佐藤誠三郎が読めといったから生協で買ったのだった。
 当時読んでも面白く、今読んでも、夜が明ける。こういう本もあまりない。
 この授業はやたらあの本読め、この本よめが多かったが、記憶に残るのは、これと、中江兆民の三粋人なんとか問答ぐらいだ。
 いつか、斉藤美奈子の書評で建築の本に触れたのがあって、それは鼎談の形式で日本の建築をあれこれしたとおぼしい(読んでないからよくわからない)のだが、けちょんけちょんだった。「南海先生」だの「豪傑くん」だののネーミングもださい、などといっていたが、内容はともかく、「南海先生」の呼称を兆民から借りた、ということを知らずに啖呵きる斉藤は、文芸評論家の看板をおろせ。
 主文:被告人無教養。だめ。退場。
 判決理由:文学だのなんだのはどれもこれも所詮婦女子のなぐさみだから受け手に教養を求めないが、それをあれこれ言う奴、しかもそれでお鳥目を頂戴する奴は、古今東西、あらゆる書物を渉猟しつくした、レベルの善管注意義務責を負うと判断するのが相当である。しかるに被告人は・・・以下略、言う気もおきない。
 ◆ビールだけで道草を食った。
 本題は、なんだ、ジョセフ フーシェ
 こいつとか、タレイランとか、メッテルニッヒとか、時代はさかのぼるが、ヴォルテールとか、煮ても焼いても腐らせても、もちろん生でも食えない(斉藤、わかるか、出典が)連中のいる欧州は、ギリシャぐらいではつぶれないだろう。