啓発舎

マジすか? マジすよ

メジャーリーグ

五日あいているか、いくらなんでもなんか書かなきゃというんで、野球だ、今思いつくのが。このおれが。
ガキの頃高校野球に興味がないというのは、人生を放擲しているのに等しかった。社会参加放棄。
おれ、ほんとに、いやだったんだよ。話あわせてたけど。
だいきらい。ぜんぶいや。
暑苦しい、ということを純粋に表現しようとして精製して不純物を除くと、高校野球の映像になる。客席の映像で倍加する。

おやじの会社が接待用に後楽園の席をもっていて、だれもいかないとき、今日どうだ、ってんで、巨人戦によく行った。
森、キャッチャーの森ね、が二打席だか三打席だか連続でホームラン打って、みんなに小突きまわされたのも観た。いまみたいに「手荒な祝福」なんて決まり文句はなかったころだ。「手荒な祝福」。あと、なんとか「弾」っていう言い方。そういう、決めの文句もだいきらい、ださい。

まあそれはいい。
親父と一緒のときはいいんだ、まわりにガラの悪い奴がいても、おやじがいるから。あと、ホットドックとかも買ってくれたし。ピクルスきざんだのが薬味みたいに別にくれるやつ。
おやじがいけなくて母親とねえちゃんとおいらが三人で行く時が、心構えがいった。
なんか、無防備感があるんですね、まわりに対して。
酔っぱらいのおやじに母親が構われたらどうしようか、というような。

ここまで前置き。

松井の出た試合で古巣ヤンキーズにぼろ負けしたのをBSでこないだ延々みた。
負けてるアスレチックスが沈痛なのはいいが、打ちまくってるヤンキーズの、特にコーチとか監督も、なんだろう深い諦観の面持ち。苦虫噛みつぶしたような。
これが、かっこいい。とことんかっこいい。

なんか、17対7、だっけ、のような試合を、淡々とやっているんだね、仏頂面で。

おやじの懐の深さ。
なんか、外人のある程度年いった奴、しかも、それなりに酸いも甘いもありましたって奴って、そういうところ、ないか。

大人、成熟、は諦念に向かう。
クリント イーストウッドが30人いるみたいな感じ。

松井も、その空気に十分溶け込んでいた。負けてるのに淡々と守備していた。
かっこよかった。