芸術新潮5月号「ふしぎなマネ」は秀逸な企画。恵比寿の八重洲ブックセンターでしばし立ち読み、購入決意。1400円也。
遊び心。諧謔の精神。
さまざまなQに解説の三浦篤氏が答えるという体裁。よくあるやりかただが、まずQがいい。
Q1絵だけで食べていけた
Q2モデルと恋愛関係はなかったの
Q3マネは印象派ではない
Q4注目されたくてわざと問題作を描いたのでは
Q5じつは絵が下手ではないですか
Q6マネの絵に隠された意味はある
Q7本当に「近代絵画の父」なのか
Q4Q5あたりが出色。
二番目の「股間若衆」という特集も、おちゃめでよかった。
編集のセンスいいぞ。野次馬精神、面白がる心がみなぎっている、ように思う。
で、マネだが。
マネとは、中3のころ美術の宿題でベルトモリゾの模写をしたころからのおつきあい。
何故だかすきだ。
実は絵が下手ではないか、という疑問は、当方も感じていた。ポップではあると思うが、なんだか雑だし、デッサン力もどうですか。
そんなことはどうでもいい。油絵の具を無造作にキャンバスに塗りつけていく、タッチ。黒。白。灰色の、ねっとりした感じ。あれがみていて気持ちいいんです。
この人と、マティス。
こってりとあっさり。全然タイプが違うが、なんだか気持ちがいい、というところで、当方には共通するものがあるような気がする。
マティスの赤。
数年前、佐倉のDICがやっている美術館でマティスとルオーの展覧会をみたが、比べ物にならない、と思った。
午後から恵比寿。スタウト、日仏、スタバ、という不動のコース。
日仏の一皿目の鶏の冷製はおいしかった。
結局、抜く、ということです。
コンセントを抜く。
事務所棟の手前のファサードが、はっとするほど美しい一瞬があった。