22日(金)
汐留から新橋。ここを通ると、03年の夏、2億の売買で横浜と往復したころを思い出す。血相かえて歩いていた。横浜高島屋のニューヨークグラマシーでよく手土産のお菓子を買った。
で、今日は、目当ては新橋亭。とろろからしそばを食って、東京に帰ってきた実感を確かにしたい、と。連れ1名。
戦前に建てられたとおぼしいレントウ式のビルにあったのだが、行くと、取り壊し中。近くの仮店舗で営業、と。
平日の昼なので長っ尻はできない。
ランチタイムのせいか、1000円。10年前は1260円だった。値下げか、と思いきや、かなしいかな、味も値段相応。まあ、おいしかったですけど。連れは、むせながらおいしいを連発していたが。
またしても銀座7丁目のライオン。
連れと別れ、銀座新橋散歩。
23日(土)
なんとかかんとかミウラというイタリアンで昼。プリフィクス2500円也。若い男性、女性各1名の店の人がかわるがわるやたらと話かけてくる。
「今日はあいにくの天気ですね」「お近くですか」「お味はいかがですか」「当店ではどうのこうの」
対し、いちいち受け応えしました、この私が、しかも、割合愛想よく。
休暇も7日目になると気も長くなる。
内容は、ふつう。
パンチェッタのパスタはそれなりにおいしかったが、数あるイタリアンの水準をぬきんでるものではない。
客は、男2女1の3名と、女二人組の2組。
3名のほうは、よれよれの学生風だったが、聞えてくる会話はなんだか高度だったぞ。
男二人は、シカゴ学派がどうの、来月デンマークに行くがどうしたこうした、てなことをぼそぼそ言っていた。
女二人組は、「〜〜でえ、☆☆がぁ」の例の調子。語尾しか聞えないから会話の中身がわからないのが、まだ救い。
身なりは黒のノースリーブのパーティー仕様です。
白金の典型的な風景。
ピカピカの外観とスカスカの中身。このアンバランスが、およそ「醜い」という言葉を視覚的に定義するような空間を現出する。
残念ながら、この街は、こういう人々が一番典型的な、そういう街になっている。
店員の女のほうが、イタリアンの競合店の出店攻勢についていろいろ情報をくれた。
通りの名もバルビゾン通りとだとかウラチナ通りだとか分からぬ名詞を連発していた。
シスレーが聞いたらなんと言うか。
さくらさくら、という、強風、じゃない京風、という触れ込みのうどんやにはいる。
JR京都駅5番線ホームの立ち食いそばやの味。ほめている。
違うのは値段。
JR京都駅は確か280円です。今回払ったのは1000円、おつりは銅貨でした。
この街は、これからも、女の虚栄心をくすぐる舞台装置が目白押しのようだ。当方も、狷介にして固陋、因循にして姑息、高慢にして偏見、辟易にして冷笑、のスタンスを堅持して見守っていきたい。