お茶の稽古で久しぶりに「美の不意打ち」にあった。
水指、柄杓、お茶入れなどを「棚」に配置し(これを「飾る」と言います)それに向かってお点前をするのだが、今回の不意打ちは、この「棚」から受けた。
何の変哲もない桑小卓。
小ぶりの華奢な棚です。深紅の漆塗り。
そこに、染付けの丈の高い、細身の水指が飾ってある。
その景色。
漆の深い色と、染付けの鮮やかな青。
卓の華奢な柱の垂直な線と、水指のすっきりしたシルエット。
涼やかな空間。
その空間の美しさ。
一晩明けて、むしろ、その余韻はいや増して、残像がその静謐な空気とともに、当方の裡に広がっていく。
例によって、少し当惑した。お点前をしている間は、そこまで強いインパクトが残るとは思わなかったから。
永楽善五郎のあでやかな茶碗を扱うことに集中していた、ということもあったかもしれない。
取り合わせの妙。
茶室と、棚と、染付けの水指の出会い。
官能的。