今夜これをみたヒトは僥倖だ。
テレビでみると、気づきがある。
ホールだと、響きが混然一体となって、なにやら途方もないこと、カタストロフィの予兆がいきなり立ち現れ、それが最後まで続く、という時空間。全体でどしゃめしゃ。
一方テレビだと、とことん編集されているから、摩周湖のような解像度。おどろおどろしさは減殺される。
その分、楽曲の構造は、すけすけになり、これはこれで面白い。
思ったのは。
◆ギザギザ音型集団
奇数月は絶好調、偶数月はどん底、の営業成績の推移折れ線グラフ音型を担当する。
◆ひたすらきざむ。
どしゃどしゃめしゃめしゃどしゃめしゃどしゃめしゃ、とひたすら16ビート。
◆ひゅーひゅー
オンドマルトノ、弦が主に担当。おれのC線は古くてささくれだってるから、これをやると指が痛む。N響のみなさんはいかがだったでしょうか。
◆グガン グガン ダバトトン グガン ダバトトン
というのは山下洋輔先生の楽曲だが、そんなかんじの打楽器群
これの組み合わせに尽きる。
と、おれは喝破した。
そういうことがわかったので、よかったよかった。
テレビでみると、この曲でもパーヴォはクールだ。
席で聴く、というか目撃していたおいらは熱血しましたね。終曲の、いったんおさまってそこから強烈に盛り上がるところなんか、すごかった。ゴジラが出現したかと思った。
パーヴォの音楽性、ということを、しみじみ思う。
パーヴォよ。自分と向き合え。
たとえば、タコ。
反スタのブレーキなどかけるな。
屈折無用、社会主義リアリズム万歳体制翼賛スターリン弥栄モード全開でやれ。
ワグナーはむろん第三帝国の勃興に直結する偉大な音楽として堂々と演奏すべし。
そこに汝の唯一の活路がある。
なんか、いい気分だ。