啓発舎

マジすか? マジすよ

芥川賞受賞作「評」を評する

芥川賞受賞作ならびに選評の一気読みをおえて、図書館から帰ってきたところ。

 

いやあ、面白かった。メモとりながら文字を追っかけるのは久しぶりだよ。

 

いま14:39だから目標15:10

スタート。

 

◆受賞作について

◆古市について

◆選評、および選者について

 

順番はかえるかもしれない。

 

まずは、受賞作評、次におれの感想、からいきます。

 

◆1分なんとか秒から。

 選評は、おおむね好評で、なかみも、みんな似ている。

 

 おれもだいたい同感。かいつまんでいう。 

 文章がよい。リズム感がある。最後まで気持ちよくよめた。

 今回に限らず、小節の批評で、文章をいうとき、リズム感にふれるのをあまりみない。

 音楽とブンガクは隔たりがあるのか。

 そんなことない。ブンガクに携わる奴はオンガクの資質が、が正しいか、も、が正しいか、たぶん、も、だろう、言い直す、ブンガク野郎は、大概、かんじんのブンガクのみならずオンガクのセンス「も」欠如する、というべきか。

いかん、時間空費。

 で、この作家は、音楽のセンスある、これは、上記のおれの定義が正しければ、稀有な美質を備えている、といえる。

 

 後半は、明日のジョーです。ちゃんと、丹下段平もいる。力石はいない。

 主人公にジョーの屈折はない、つぶらな瞳だ。

 その限りで、ウジウジではない。自分にうっとり、からもまぬかれている。

 

 セリフもいいので、マンガの原作か2時間ドラマにするといいんじゃないか。

 

 面白かったよ。

 

◆ニムロッド

 ニムロッドは、おれも、3年前、エロイカやったとき、アンコールで弾いた。弦楽器奏者にはうれしい曲だ。エルガーは、ときどき、こういう佳曲を書く。

 で、本題。

 選評。

 メモをみながら。

 これも、おおむね、好評。受賞作だから当たり前か。

 高樹氏が、絶望をあらわす、小川氏は、虚無を表現、と、なんか、そういう、深刻でよかったわ、というかんじ。

 吉田氏に至っては、絶賛、「人生の悲しみ」そのものを描写、とまで持ち上げている。

 

主宰、いかがでせうか。

 それでは、私の意見を言おう。

 

 これはあれですよ、サラリーマン小説。

 よくあるやつ。

 ビットコインと製薬、バベルの塔と教材、は素材は違うが、「絶望」だの「虚無」だのは、一緒ですよ。

 普通の勤め人はこれぐらいの「人生の悲しみ」は1日5回はしてます、飯より回数多いです。サラリーマンをなめちゃ、いかんですよ。

 これで、ブンガクやるやつはまともな勤め人歴がろくにないことが判明する。

 吉田修一よ、だいじょうぶか、おまえの前途は。

 センセイ相手が酷ならば、株とか銀行だったらおれもコネがあるから間にはいってやってもいいぞ、コミッション給料1か月分ぐらいで一肌脱ぎます。

いかん、もどす。

 

 選評で只一人我が意を得たのは、宮本さんです。

 ビットコインバベルの塔も、「玩具」だ。おもちゃ箱からこぼれるのを要領よくまとめた力量は認める、と。

 これは、ぬるい選者のなかで、独りだけ苦労人のセリフだ。経歴知らないが。

 

 こんな「玩具」にころっとやられるキミタチは、やっぱり二流の人士です、世間的には。わるいけど。

 

 最期は飛ばし読みになったけど、このヒト、これからも素材、というか、「おもちゃ」には凝るだろうけど、ひたすら同じ歌、「虚無」だの「絶望」だのに仮託した、「自分にうっとり」「自分にうじうじ」を延々やり続けるだけです。つきあうみなさん、ご苦労さん。

 折角読んだので、もすこし言う材料もあるのだが、めんどくさいから、この人は今後もふくめてこれでおしまい。

 

◆選評および選者

 選者評。

 作品を評する選者を主宰が評す。

おれが、いつも、わりと、まあまあ、と思うのは、島田と宮本。

 一通り世の中のものさしが、ある、というところですか。

 島田は、ニムロッドを神話の構造、1分なんとか秒を意識の流れ、と寸評したのは正鵠を射ている。

 宮本さんは常識人です。本業はどうですか。常識人とブンガクの折り合いはつきますか。他人事ながら。

 

 ダメは、川上。ひとりで呑み込んでよろこんでる。アタシは感覚でものいいますから、は、他者を前提とするこの種の批評では、いかがなものか。

 おれさまだって、自分だけわかればいい、という主義の主宰だって、今回は、不特定の読者に向けて、一応ロジカルに、骨格はわかるように、書いているというのに。

 

最後。

◆古市

 こうなると、もう袋叩きの様相です。

 セロニアス文句なくおもしろ。混じりけなしのブツだ。

 叩いても叩かれても、古市本人をふくめ、怪我人がひとりもでない。

  

 彼は、関係者の期待に十分応えたのではないだろうか、役割は十分を果たした。

 マラソンのペースマーカーみたいなものか。前半引っ張って所定のペースをキープする役目。

 ケニアの選手と違うのは、後半失速しても、ペースメーカーは叩かれないが、古市はぼろくそやられる。

 あと、ギャラもあるな、当然、先導する選手は、特別なお手当をもらってる、に違いない、が、文春から古市へ、えーと、広告宣伝費とかの名目で、いくらか渡っているるだろうか。

 その点、他人事ながら心配だ。なんならこれもおいらが間にはいってやってもよい、フィー10%ぐらいで。

 

 作品は読まないでおこう。

 

そんなとこ。

 15:29.所定の刻限を20分超過。

 おもしろだったからいいや。