啓発舎

マジすか? マジすよ

◆昨日、中島敦のことを書いたので、以前どうだっけとこの日記で検索すると、4つぐらいヒットした。文字禍についても書いてある。同時にカフカにも言及しているのは、面白い、自分でいうのもなんだが。
カフカは、一時、短編を追いかけていた時期があって、そのころと重なる。
カフカの短編を読みまくって十分ギャグセンスを味わってから変身なんかを読むと、世評と違う姿が立ち現れる。
不条理だの実存だのでは全然なく、芋虫に「変身」した男のトホホなストーリー。
赤塚不二夫が晩年書き飛ばしたマンガと同類。


カフカ中島敦は、おれの中では、重なっていたのだね。


漱石の「こころ」のテーマは、言うまでもなく、「男がめそめそする」ということそのものなので、それを腑分けする若松さんがめそめそぐじゅぐじゅするのは、当然と言うほかない。
読者は、女々しい男を、笑って、或は嗤って愉しめばいい。
その趣味のない奴、おれみたいな、は、近寄らないことだ。


漱石といえば、「猫」をナイトキャップで、ぱらぱらやっている。
 初期の漱石は、よい。
 鼻子の命を受けて探りに来る「鈴木」というクシャミの同級生、こいつのキャラの造形なんか、見事なものだ。
「がらんどう」という言葉をつかわず「がらんどう」をつぶさに表現する。
これから、「猫の鈴木みたいな奴」と、おれも引用させてもらおう。
 こういう輩とからまなくてよくなっただけでも、今のおれさまの日常はパラダイスだ。
このうえ、なんで、趣味のサークルだの近所付き合いだの・・・。
やめよう、お品が下がる。