啓発舎

マジすか? マジすよ

新橋に出る用事があったので、帰り銀座に寄り道した。
銀座シックス行きましたよ。ついに。


久しぶりの銀座はインパクトあった。
新橋から銀座通りを歩いていったので、ガード下ハナマサの前の地べたに掃きだまる人民、ラオックスの前に横付けする巨大なバスから無限に湧いて出る同志で、完全に爆買い共和国の人海戦術で銀座の爆買いによる占領は完成した、というのがやっぱり第一印象だった。

聞こえるのは、爆買い語の、我が同胞の女二人組がよくやる極端な語尾上げ話法に似た例のイントネーションの大音声ばかりだ。
大阪ミナミにちょっと似てるかな。おれが関西にいた時分の。10年前の。


覚悟はできた。
試練だ、と巨大なビルの中にはいる。
と。
意外や、建物の中は、爆買いはあまり徘徊していない。日本人濃度が高い、85%ぐらかg、というのが最初の印象。
爆買いはほとんどカップルで、特に女の方は「お上品な外観養成ギプス」でガチガチのためわめかない、わめけない、ギプスで。


空いてましたね。
話しにきいていたとおり5階までは女の高級あれやらこれやらの店ばかりで店員は所在なげだが、店を出すほうも看板効果だろうから、別にいいんじゃないの。
おもったほど猥雑ではなかったので拍子抜けだ。
13階のバーでビールおよび6階の蔦屋のスタバ、さらにそば屋で冷酒とせいろ。
フィールドワークもしておなか一杯です。

蔦やとスタバが外人に好評なんだそうだが、そこらの蔦屋スタバの拡大版で、これはどおってことなかった。普通。
だが、バーとそば屋は、よかった、お品あった、及第点だ。地に足の着いた接客。
そばは味もOK.そば食いのおれが認める。酒も落ち着いてのめた。客がよかったこともある。おれがいたときはアイドルタイムだったが、おれっぽいひまオヤジが二組、熟年カップル二組で、銀座シックスの平均的客層である見栄張る女はいない、ここだけ。
いやまてよ、そばやは、そもそもじじばばか。しかも値段は高い。そば、という食い物にこれだけだけだす、出せる、ということで食い物と値段が客をふるいにかけているか。

ともあれ、当初予期したほどひどくないじゃん、という書きぶりじゃないか。ここまでは。


まってくれ、まだ先がある。



二子玉川、武蔵小杉は、おれにいわせりゃ新開地、貧乏人が見栄を張るところ、と書いた。なんだかんだで金が落ちるのはチェーン店。


それに比べれば、さすがに、ここは、少なくとも店を出す方は、純粋金持ちにターゲットを絞っている、と思う。


だが、漂う空気は、殺伐としている、と私は感知しました。当方の五感センサーは。
繰り返しになるが、豊か、というのは、現象ではなく、それぞれの内面にある。


人が集まると、それがはっきりする。


ここに来る女どもは、リピートしたいですか。ウインドウショッピングしたいか。


豊かの外観、空虚な内面。
6階までの吹き抜けは、その空虚さの象徴ではないかね。


恵比寿のガーデンなんとか、とか、丸の内あたりとかは、まだ、それなりの人々の生活感みたいな空気がある。場所がひとを選んでいる、というところがある。
と、おれは思う。


おっとりした空気みたいなもんだ、うまく言えない。


ここは、銀座シックスは、きちんとぎすぎすしていました、おれの感知器には。


時間ですかね。時間とともに銀座シックスは成熟するか。
銀座の街自体は東南アジア化スラム化だが、松坂屋跡地はそれに抵抗する橋頭保になり得るか。


とことんどうでもいいが。
ビールビール冷酒、これが少しこたえた、でこちとらもへろへろよ。
そっちはそっちでうまくやってくれ。


こちらからは以上です。