第1815回 定期公演 Bプログラム
ベートーヴェン/交響曲 第1番 ハ長調 作品21
ベートーヴェン/交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
というわけで新たなシーズンが始まりました。私の席の周りは、例年みなさんほとんど変わらないのですが、今回はちらほら初めての方がいらっしゃいました。
ここ数年、初回はこの方、ブロムシュテットさんです。
雄渾なエロイカ、素晴らしい演奏でした。
特に二楽章以下の盛り上がり。
三番は、九つのシンフォニーの中でも第一楽章の重さが際立っている曲だと、思ってるのはおれだけかもしれないが、一楽章でさんざんベートーヴェンさんが言いたいことを言い尽くすと、こちらも力負けして後はそこそこ聞き流し、みたいな演奏も結構ある。
今回、ブロムシュテットさんは、重心を後半にもってきて曲全体で堂々とした構造を提示する、という明らかな企図があったように思う、そしてそれは大成功だ。
二楽章の中間部の弦楽器群。
終楽章の例のロンドの繰り返しの中でだんだん盛り上がっていく迫力。
ベートーヴェンの音楽の本質は、「構造」だ、ということを体感した。
配置からセカンドのがんばりが目立つのだが、大林さんが髪ひっつめて、いるわけではないのだろうけれど、前後にゆれながら刻むお姿が印象的だった。
一言苦言。
木管前列縦笛のほうのトップは、だれか引退勧告してはどうか。