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陽気に誘われて、東御苑。
二の丸の雑木林の若葉をみて、ほんとうに久しぶりに覚えず気持ちが緩んだ。
自分でびっくりした。

こっちに引っ越してきてから、絶えてなかった感覚。

で、自分の家に帰るのだが、そうすると旅先のホテルみたいなんだよね、気分が。
全然ほっとしないのよ。

もうしばらくするともっとよく見えてくると思うのだけど、いま、うっすら思うのが、結局、この、ふにゃっとする、とか、ダイレクトに体感する事象と親しくするということに尽きるような気がしている、この先。

いま、なに食っても、何見ても全然感動がない。
贅沢に全く興味なし。

ニュースにも、別に、腹もたたない。

国立劇場が折角近いので、寄席でも行こうか、というのもあるのだが、若造が声色つかって下町をきどるのに付き合うのもまっぴらだ。
いっそ、おれがやるか。

だから、若葉が美しかった、とか、雲が立派だ、とか、そういうことよ。
あと、静寂というのがあるのだが、これについては、少し時間が要りそうだ。