おれは今ひそかに有吉に注目している。
いまさら、とか、言わないでほしい、見だしたのは正月の特番からなのだから。
毒舌なんて上っ面で、引く、受け身の芸風なのはすぐわかるが、こいつは、相手からトホホを引き出すのが、抜群にうまい。
散歩の番組でのレスラーの高田とか、のっぽの田中とか、アンジャッシュのプッツンするほうの奴とか。
田中も、アンジャッシュのネタ考えないほうの奴も、自分のチームだと役割があるが、こういう散歩番組とかで、ピンにされると、素、あるいは、自分の「素」を演ずる局面が出来、そこで出てくる素のトホホ感は、鑑賞に値する。
あと、正月、特番で、芸人の飲み会中継はよかった。
前出の田中児島とびびる大木、他。
今、あと誰だろう、小峠か。
こいつの、小理屈言いながらボケる芸風からにじみでるトホホ感は、わるくない。
総じて、関西系のお笑いは、実は、利口である、ボケでも。
油断も隙もないところがあって、おれには、どうしてもなじめないのだが、小峠一味には、ほんとの隙があって、おれは好きだ。
関西で、あと、構えないで見られるのは、西川のりおぐらい、か。
ちょっと枕が長くなってしまったが、何故こんなことを書いたかというと、NHKで、全米ブログ2年連続NO1の、なんとかいう男が、1000のいいこととかいって、日常、些細ないいことを拾い上げて、前向きに生きようみたいな演説をしていたのを見たからであった。
いい奴、という感じで悪い印象はないのだが、そいつの話を聞いていて、むらむらしたのであったよ。
1000の心温まる話で全米NO1だとすると、おれのなんか誰が読んでも悉くぼやき節、太陽系レベルでどんじりか。
誰が読んでも。
どこが悪い。
いいことばっかり拾うと、スカスカにならないか。病んでる、というにおいも、おれなどは嗅ぎ取る。
ぼやいてばかりいるのもなんだが、うきうきもとほほも一緒、というのは、だめな考えか。
水のような諦念で時間を観ずる、というのが、一番気持ちいい状態なので、おれはそれでいく。
いま、実は、歯医者地獄というネタがあるのだが、これは生理的な感覚を伴うので、現時点での公表は差し控えたい。