と、思ったら今度は朝日の番だ。
◆まずは当該記事
小保方さん、『大人AKB48』で歌手デビュー!(うそ)
文 今井舞
2014年3月24日
写真:やっぱり、衣装はこれしかないっすよね……
やっぱり、衣装はこれしかないっすよね……
今回のお悩み相談者:小保方晴子さん
小保方晴子です。よろしくお願い申し上げます。ご存じの通り、今私は八方塞がりの状態です。生き地獄です。
自分で撒いた種とはいえ、本当にどうしてこうなることを予測できなかったのか。普通に考えればわかることなのですが、あの時の私には、その感覚がありませんでした。ただ無邪気に「こうだったらいいなぁ」と心に浮かぶまま、近道を作ってその光景を反芻していたというか。毎日毎日をラボだけで過ごすうち、人としての感覚が麻痺していたとしか言いようがありません。もちろん、それが私の犯した行為の説明になるはずがありませんが。
もう全て無くしました。今後私を雇ってくれる研究所はないでしょう。理研も解雇という形は取らないまでも、私が自主的に姿を消すことを望んでいるはず。この前の会見を見て、それを痛感しました。収入のあてはゼロですが、国費である研究費返還といういばらの道が待っています。額も莫大です。その上日本中に顔を知られて、ひっそり身を立てることももうできません。
何も考えたくない。自分を消し去ってしまいたい。……ですが、このまま一生逃げ続けるわけにもいかないのが現実です。
どうせ落ちる地獄なら、いっそもっと深いところへ落ちてしまおうか――。そんな考えがふと過り、今私はある計画を立てています。それは、「30歳以上対象の『大人AKB48』応募」です。自分で言うのもアレなんですが、実は歌は結構イケます。他もいろいろ。もし合格できたら、バッシングを乗り越え、いっそこれくらいの開き直りがいい、こんな生き方もあるんだ、人はいつでもやり直しがきくんだ、というところまで世論を持って行く自信があります。
デビュー曲は「人生切り貼りしちゃえるNO!」。古い感じで逆に。大体のイメージはできているので、あとは新垣さんに曲を作って頂ければ、話題性も十分かと。
……だって他にどんな生き方があるんですか! あるんだったら逆に教えて頂きたいです。私の立場に立った、リアルな道を。
小保方さんへのお答え
それでいいんじゃないでしょうか。ここまで顔も名前も知られてしまったら、確かに田舎でひっそりなんてことも不可能ですね。自己顕示欲の目盛り強めのあなたには「あの小保方さん、イオンの総菜売り場バイトでやっぱり割烹着姿!」などと報じられるのは、死ぬより辛いに違いありません。
それより、「イチかバチかのバチ当たり! ラボから出てきてホラ話! 千葉県出身、小保方晴子で〜す!」と堂々とキャッチフレーズを口にし、胸を張るあなたの方が、あなたらしい気がします。お金を稼いでくれた方が国費も取り戻せますし。話題探しの秋元康先生もきっと飛びつく、実に名案です。
あなたの本当の発見はこれだったのですね。こちらは人類には何の足しにもなりませんが。今度はどうか実を結びますよう、願ってやみません。
◇
■「毒出し」コラムニスト今井舞さんが、有名人の架空のお悩み「ウソうだん」を勝手に考え、勝手に答える「ウソうだん室」。隔週掲載、次回は4月4日の予定です。
◆次に、日経の後追いから。
小保方さん巡り朝日がサイトで架空記事 不適切と削除
2014/3/27付
朝日新聞はインターネットサイト「朝日新聞デジタル」で24日に掲載した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーを取り上げた記事が不適切だったとして削除し、26日付でホームページにおわびを掲載した。
記事はコラムニスト今井舞さんが執筆した「ウソうだん室」。有名人の架空の相談に回答するという設定で、「今私は八方塞がりの状態です」「今後私を雇ってくれる研究所はないでしょう」と記し、小保方さんが歌手デビューを目指すなどとしている。同社は朝日新聞デジタルのホームページで「小保方さんをはじめ、関係者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをおわびします」と謝罪した。
◆で、朝日のおわび全文
おわび 「ウソうだん室」について
2014年3月26日
3月24日に掲載した連載「ウソうだん室」第3回は不適切な内容と判断し、同日中に削除しました。理化学研究所の小保方晴子さんを取り上げましたが、小保方さんをはじめ、関係者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをおわびします。
◆第1回コラムをのぞいてみた
佐村河内さん、あの人に頼めば、会見も問題無し!
今井舞
2014年2月21日
今回のお悩み相談者:佐村河内守さん
はじめまして、佐村河内守と申します。世間をお騒がせしておりまして、恐縮です。一連の騒動については、本当に申し訳ないという気持ちしかありません。
とにかくまずお詫びしなければと、会見を開きたい気持ちにも変わりはないのですが、現在いろいろあって代理人もおらず、仕切って頂く方が誰もいなくて、実現になかなか至らない状況です。
出版プロデューサーの高須基仁氏から、ぜひ仕切らせて欲しいとのお話も頂きましたが、「ウチから本を出すのが条件」とのことで、今はまだそんな心境になく、お断わり致しました。
とにかく、不慣れなことばかりですが、事務的なことは置いておいて、実際に会見になった際のシチュエーションについてあれこれ考えている段階です。でもとにかく不安しかありません。
一番気がかりなのは、基本的なことですが、「質疑応答をどうしようか」という点です。私が登壇し、お詫びと今の心境などを話した後は、すぐに報道陣の皆さまから質問責めとなると思うのですが、その際、本当にどうしたらいいものかと。一応、横浜市の担当者の方と話した際は、手話の人を交えてという形だったのですが。やはりいきなりというのはなかなか踏ん切りがつかなくて。
でもお詫びの記者会見となると、皆さん容赦なく質問をしてくるでしょうし、それをいちいち手話で拾っていくというのも火に油です。逆にもう「ハイ、じゃ次の方」って丸聞こえ状態でやってしまうのもそれはそれであまりに滑稽で、何とも決心がつきません。
記者会見のことを考えるともう辛くて辛くて。このままではストレス性難聴になってしまいそうです。私はいったい、どうしたらいいのでしょうか。お答えよろしくお願いします。
佐村河内守さんへの回答
お悩みごもっともかと思います。あれだけ絵に描いたようなカリスマを、攻めで演じていただけに、今となってはその全てが嘲笑の的となり、それこそ耳鳴りのように世間の笑い声が耳元に届いているかと存じます。
でも、どんなレベルの謝罪も「申し訳ありませんでした」とブログやツイッターに一言上げて済ませてしまう風潮の中、「謝罪会見します」という姿勢は逆に天晴れではないかと。
「市中引き回し」になるのをわかっていながらあえて出てくる。なかなかできることではありません。
しかしながら、今ちょっと心配なのは、会見をするすると言っておいて「仕切る人がいない」「まだ準備が出来ていない」と、段々フェードアウトする気なのではないか、という可能性が感じられる点です。
仕切りの件は、その気になれば、もう一人別の「高須」という有名な病院長さんがいて、この人に頼ればほとんどのことは金で解決してくれますので、本気でやるつもりなら一度相談してみることをおすすめします。
あとは会見の内容の詰めですね。どうしても「ちょっとは聞こえない」というスタンスを最後の砦として残したい、ということになると、横浜市役所の人と話した時と同じように、手話の担当者を用意しなければなりません。しかし「佐村河内氏の会見に同席して通訳!」となると、手話をされる方にまで類が及ぶ可能性があります。それも会見実現に向けての難点ですね。この件に関しては、南アフリカのマンデラ氏追悼式で手話通訳をしていた方にお願いすれば、すべて丸く収まるかと存じます。彼と一緒に出てきた時点で、取材陣の方でもあうんの呼吸が生まれるかと。
あとはもう、「さあパーティを始めよう、大きい魚、小さい魚、段ボール箱!」の手話に乗せて、あなたお得意のエンターテインメント性に賭けてしまうのが吉です。
この会見は、間違いなく、ご自身の人生最後の大きな花火となるでしょう。フィナーレにふさわしい、漆黒の闇に浮かぶ大輪の徒花を、欺いていた我々にしっかり見せて、ぜひお気持ちにけじめをつけてください。
◇
■「毒出し」コラムニスト今井舞さんが、有名人の架空のお悩み「ウソうだん」を勝手に考え、勝手に答える「ウソうだん室」。掲載は隔週金曜日に、しっかりする予定です。
「ウソ」とは言ってるが、実名だ。
第2回はディカプリオだが、もう割愛。
名誉棄損の問題をおいても、わざわざ実名でやるほどの内容か。直球の悪口、全然面白くない。
朝日らしいと言えないこともない。
うえの偽装作曲家のコラムも、引っ張り出された病院長さんは、とんだとばっちりではないか。黙っていないのではないかね。
掲載されているのはいまのうちだと思う。
おいらの抜粋は貴重な資料になるかもね。
掲載は隔週金曜日に、「しっかり」する予定、とのこと。
第4回が楽しみだ、内容などどうでもいいが「しっかり」掲載するかどうか、が。