啓発舎

マジすか? マジすよ

小保方氏の本を立ち読みしてきた。
感想。まともで拍子抜け。
平積み台の背後にレジの店員を背負う位置で、平和に立ち読みできる時間は限られる。そのため、肝のES細胞混入のくだりのみ飛ばし読みしたので、amazonなどでみんなをかっとさせている小保方氏一流のレトリックにほとんど接することなくすんだから、もあるかもしれない。
手際よくまとめた評があるので一部掲載させてもらう。

若山主犯説
小保方氏は、論文に問題があったことは認めているが、単なる勘違いだったと述べる。また、たしかに問題だったが、データはあるし、実験に問題はなかったとも言っている。
一方で、小保方氏は、ハーバード大学での研究以来、体細胞が多能性幹細胞になったマーカーであるOct4という遺伝子の発現という現象に注目しており(のちにSTAP現象と呼ばれる)、それを研究したかったが、あとから研究に加わった若山氏が、STAP幹細胞(増殖能を持つ)の作成にこだわったという。そして、STAP幹細胞を証明するキメラマウスの作成や胚の操作は若山博士や研究室の人たちが行い、自分が関与できなかったという。細胞の管理も小保方氏は行えなかったという。
だから、STAP細胞なるものがES細胞の混入であった点は、自分ではなく若山氏が関与したと述べる。
また、研究者の多くがSTAP細胞の存在を疑うにいたった「TCR再構成」も、若山氏の細胞の管理の問題だと述べる。
若山氏が、研究データよりストーリーを重視し、仮説にあわないデータを意図的に除外するなど、逸脱行為をしている点を述べる。
しかし、STAP細胞の論文で挙げられた疑義は多岐にわたり、この本ではそのすべてに答えていない。
STAP細胞はあるのか
小保方氏は、狭い意味でのSTAP現象、つまり体細胞に刺激を与えてOct4の発現を蛍光発光で確認することはできたと述べ、それが200回STAP細胞を作ったという記者会見での発言につながったという。だから、いまでもSTAP細胞はあると考えている。多くの人たちが考えるSTAP細胞存在の定義より狭く考えているのだ。
検証実験に失敗したのも、検証実験にキメラマウスの作成が求められ、若山氏が関与した部分に手を出せなかったからという。
しかし、蛍光発光という現象を小保方氏が見たのは事実だろうが、検証実験や2015年のNature誌の論文で、Oct4の発現含めたSTAP現象が否定されているので、説得力はないように思う。

小保方氏が、自らの無実を主張するために若山氏を主犯と名指しするのは、立場から当然という他ない。
その論理の展開はすっきりしている、少なくともここのくだりには小保方レトリックのめそめそ情緒連綿は、ない。
小保方氏はすでにリングサイドでガウンを脱ぎ、かかってこいと若山氏を挑発している。
若山陣営は、堂々と受けて立てばよい。
そのほか、理研関係者、NHK記者など、実名がばんばん挙がっているが、これもリングに上がって打ち返すべし。

解説はあいつがいいや、インパルスの痩せてるほうの奴。

視聴率75%はとれるぞ。
フジに持ち込もうか。