吉田健一さんのエッセイで、シェイクスピアの「アントニーとクレオパトラ」からの引用で、アントニーが戦に負けて、鎧を脱がせてくれ,長い一日の仕事は終った。眠らねばならぬ。というようなことを言うが、ただそうであるしかない言葉であって、われわれは、そこに紛れもなく人間がいる、ということを感じる、というようなくだりがあった。うろ覚えだが。
まさに、そんな感じ。
一週間おわりました。
明日は、京都薪能。天気はもちそうだ。
明日起きたときの気分で行くかどうか決める。
能は観たいし人ごみはいやだし。
ついでにどこに行くか決めていないし。
NHKの芸術劇場が金曜日になったのはよかった。
アルゲリッチのバルトーク3番。
桐朋オケ。指揮はヴィオラのバシュメット。
バルトークのPコンに初めて接したのは、中学のころ、御茶ノ水の丸善2階のディスクユニオンで、かかっていたのを聞いたとき。
あたりの空間にまで殺気がみなぎるように感じた。
ゼルキン(息子のほう)小澤。1番だった。買いました。
カップリングが3番だったので両方よく聞きました。
音楽としての厳しさ、切実さということでは、桐朋、じゃない当方は1番に軍配。
2番は、ポリーニ、アバドの例のやつが、やっぱり凄い。
これは今でも聞きます。
派手な両端楽章より、いまは、真ん中の楽章が好き。
中部ヨーロッパの、鬱蒼とした森の夜。その冷気が漂ってきそうな音楽。
アルゲリッチさんは、端正に弾いていました。