啓発舎

マジすか? マジすよ

蝋燭能

久しぶりにお能を観に行ってきました。

場所 大槻能楽堂
演目
狂言 連歌盗人
 茂山 七五三 千三郎 千之丞
能  通盛
 シテ 斎藤信
 ツレ 斎藤信
 ワキ 福王茂十郎
 ワキツレ 福王知登
 アイ 茂山宗彦

 仕事が終わり、歩いて会場まで。大阪城公園を横切って。
 人のまばらな公園をぶらぶら歩いていて気が付いたのは、大阪城の城壁は、角は精緻ですが、その他は、割合いい加減に石が積み上げられている、ということ。
 急いで作ったのか。

 難波宮(といってもほとんど空き地)の隣に目指す建物がありました。ここは初めてです。

 蝋燭の趣向に惹かれて、やってきました。

 良かった。

 当初は目が慣れず、薄暗いな、という感じ。
 狂言では、演者の表情が、笑っているのか泣いているのかほとんどわからず。

 次第に目がなれてくると、陰影の中、舞台が改めて、うかびあがってきます。

 通盛は、初めてでした。
 前半、シテとツレが舟の作り物の中でもぞもぞやっていて(ノミの夫婦であります)ツレがやおら後ろを向いて、舟(という設定の白い枠)をまたいで出ると、入水です。

 後半、修羅物の定番、刀を抜いての立ち回り。

 で、前半、後半ともによかったです。

 蝋燭の、フットライトの角度での、かそけき光の中、舞台にうかびあがる二つのシルエット。
 美しい、と、思いました。

 
 橋掛かりにも、蝋燭の灯り。
 後半、通盛と小宰相(奥さんです)の亡霊が橋掛かりを進む妖しい迫力。

 異界から立ち現われる異形のもの。

 この照明、いいです。
 蝋燭を使わなくても、光量を落として、下からの照明も導入する。これで、ずいぶん印象が変わる、と思いました。

 取り急ぎ。能を観ると、いつも疲労困憊です。