啓発舎

マジすか? マジすよ

久しぶりに金出して本を買った。
「これからどうする」岩波だ。

岩波だから岩波好みのおじさんたちが「これからどうする」について知見を競う、というよくある編集。
間違ってもアベノミクス万歳みたいのは、ない、が、それは別にどうでもよろしい。

斜め読みで通読したが、ほとんど、どっかの社説みたいな紋切り型大会の中で、おっ、というのがいくつかあって、面白い。
共通するのは、自分の頭で考え自分の五感で感じているか、ということですね。

で、その、おいらが選んだ、自分で考え自分の言葉で語る一等賞の栄冠は、蓮實先生に輝いたのであった。

この人、当方の駒場時代、天下とってました。学長になるはるかに前のことだ。
エピゴーネンも多かった。
東大新聞の狆の映画評、とかな。
先週会った渋谷の映画館おやじも、・・・まあ、それはいいが、一応エールを送っておく。

本題。

この人の文体って追随者を引き寄せやすいと思うが、例の文体でぶつぶつやると、考えの枠組みとかも、似てくると感じられるところがあって、当方は、なんだかな、と思っていた。
自分で自分を模倣する、みたいな。

じじいになってこの人いい味でてきたような気がする。
しばらく前、最近のプロ野球を慨嘆する小さな囲みのコラムみたいのをどっかの新聞に書いていたが、しみじみするものがあった。

国家も社会もない、好きなことをするだけ、ということを全編繰り返し言っているだけなのだが、肚のくくりかたは、たいしたもんだ。

おれもそう思う。

だがしかし。
その「好きなこと」と対峙するのは、結構それはそれでなかなか、というところがあり、いま、おいらは、たぶんそこに直面している。

蓮實さんはおいらの背中を押してくれているようでいて、突き放しているのでもある。

いましばらく、時間が要ると思う、無所属の時間が。


この本、妄想を浮遊させる触媒として、結構つかえる。

次回は、関川夏央さんあたりに登場願おうか。

ブルペンでは、あと、2〜3名投球練習中。