啓発舎

マジすか? マジすよ

清盛 ほか

きのうの続き。
◆モンスターズは、早くも、香取をすこし持て余してはいないか、演出で。
 過剰なキャラが独り歩きはじめてないか。
 そのままそのまま・・・というフレーズをお約束にしたいのだろうけど、定着するかしら。
 山下のプレゼンスが大きくなっている。
 遠藤は、過剰なようでいて持ち場を守っている。
 犯人キャラは先週も今週もすこし弱い。
 というように突っ込む愉しみ。
 割とすきだ。
◆清盛
 今回、このシリーズのだめさが、ほとんど図式的に顕わになった、と思う。
 終了後、いかにだめか検証するのに、好個の素材。
 めんどくさいので簡潔に。
 前半重盛衰弱→死。しかも末期の重盛に後白河が悪さをしかけたりする。
 清盛。悲しみ。憤怒。で、もだえ苦しむ。
 それが、後半一変し、天下とった、どうだいおれは。
 45分でこの落差を演じ分けるのは、たいへんだとおもうよ。
 布石がないんだよ布石が。
 すこしずつ、人間の気持ちというのは、少しずつ、またいろんな要素がからみあって形成されていくんでしょ。
 ましてや、権力者の権謀術数のさなかにあっては。
 そこが描けていないから、マツケンがひとりで泣いたり笑ったりしているだけの、シャドーボクシングになってしまうんだね。
 脇が、徹底的に弱い。
 後白河も、松田本人のちょっとニューロティックなあぶなさをそのまま出しているだけで、チョウ雄後白河はだせていない。「奸」のかんじが。
 年からいって無理だ。完全なキャスティングのミス。

 個人的には、清盛の晩年は、ちょっと好きだ。
 この人は、終生、ある怨念というか、こだわりというか、を持ち続けた人だと思う。
 下男のようにあごで使いやがって。
 成り上がりだと言われているのもわかってるぞ。
 だがな、おれたちがいないとお前らなにもできなかったじゃねえか。
 ネポティズムだからなんだというんだ。
 息子はどいつもこいつもぼんくらだ。
 足許だって決して安定はしていない。

 栄華の最中で醒めているかんじ、無常感。

 憤怒ではあるが寂寥でもある。
 据傲でもあれば脆弱でもある。
 権謀術数でもあれば赤心でもある。

 シェイクスピアをやれる俳優だったらできるかもしれない。


 あすは月曜日だ。