啓発舎

マジすか? マジすよ

恵比寿でとほほ

◆手打ちそば きっこう で もりそば。メニューにはざるそばと書いてあったが。
 そばは、なんというんだろう、手打ちです。太さまちまち。量多め、十分おいしい。
 つゆ薄め。蕎麦湯は、はやりだろうか、そばをゆでた湯でなく、そば粉を溶いたもの。
 これで、ゆっくり酒が飲めれば通おうか、というところ。
 最近のそば屋は何を勘違いしているのか。そば屋というところは、そばを食いにいく場所ではない。昼間から安心して飲みに行くところなんです。たのむよ。

◆恵比寿ビヤステーションでクリーミートップ。850円也。テラスで。
◆二時から広場でゴスペルのライブ。プロのおじさんと、女の素人さんの合唱団。たまに、素人さんのなかから二三人ソロを歌う。これでわかるのは、半端にうまいのはど素人より始末に悪い、ということ。たのむよ。
 いつだったか外苑前でデンマーク大使館肝いりで自転車のイベントをやっていたとき、ゴスペルのお姐さん、声量、体格、迫力、いずれも豊かで堪能したことがあって、それを思い出した。
 素人と玄人というのは歴然と差があるのだね。
 合唱団のおねえちゃんたちは、人前で大声だせて、さぞすっきりしたことでしょう。女という生物としてはいまや過剰になった余分なエネルギーを発散しているのだろうね。たいへんいいことです。
 ハワイアン、フラメンコ、ゴスペルなどもいいが、発電というのはどうだろう。女のありあまるエネルギーの平和利用。発電。人前構わずわめく女二人組をそこらの喫茶店でスカウトしては、そのエネルギーを有効活用する。これを電力に変換する技術を開発した技術者は地球の救い主だ。
◆というわけで、今日のお天気に反して気分は片付かないのであるが、なんとかやっていくしかない。
◆こういうときは漱石で、しかも、道草。なぜだかこの小説は、いい。肌にあうアンダーシャツみたい。
◆肌にあう、といえば、場所。京都東山。ここ恵比寿。神保町。番町九段南。深川。神楽坂。新橋。上野毛のあたり。
 それに比べて。丸の内も銀座も麻布も渋谷も自由が丘のあたりも、昔はよかったのだけどな。それにしても銀座は加速度がついている、俗悪化に。丸井、がキーワードか。そういえば、渋谷スラム化も、丸井が口火を切った。あと、女が蹂躙したらおしまい。
 人。経済力ではない。教養、のようなもの。その社会が到達した人が住む心地よさを自然に身につけている、という空気。それがあるか。ないか。あったが失われたか。
◆美。を通じて普遍に至る。そういうことが去来する。大真面目だ。真剣だ。
◆辟易。トホホ。諦観。隠棲。遁世。
◆とはいっても、懐かしい場所、人、音楽、植物を主体とする空間、は私のまわりに存在する。
◆記憶の不思議さ。時間軸と連動しない遠近感。中学高校のころの、あの皮膚感覚が、一番近しかったりする。