この国の昔の映画をみて思うこと。
◆善悪に毒されていない。
◆大人
丹下左膳なんて、子供の喧嘩に割ってはいって遠慮なくガキをド突く。
河内山宋俊は、一言でいうと、たかり、あるいはかたり、だ。
新三は、いうまでもない。
もちろん、歌舞伎由来で、原作がそうだ、ということがあるにしても。
あと、溝口はおとなですね。
終始、みんな、ぐじゅぐじゅしている。
大人の証左。
祇園の姉妹なんて、はじめのほうに山田五十鈴がしみーずで歯をせせったりを延々長まわし。
そのトーンが最後まで続く。
脇の進藤とか進藤に似たもうひとりの旦那とか、因循姑息としかいいようのないキャラ。
とことん感情移入できる。
傑作、というほかない。
外国では山椒大夫が人気のようだが、たしかに映像は美しいが、役者は全員、全員例外なく、いも、大根。
あ、山椒大夫役で新藤がでていたか、これだけはまあいいか。