人間集団の話 続き。
プロのオーケストラの団員インタヴューを見ていると面白いことに気づく。
オフになにしてますか、という質問者が必ず聞く問いに「ひとりでぼーっとしてます」が多い。
少し話を端折った。
さすがに、「ぼーっとしてます」はなくて、釣りにいく、とか、川さらい、とか、なんでもいいからひとりで遊んでいる、とか、回答はそれぞれ具体的だが、そこから感じられるのは、ぼーっとしている、という香気だ。
いま、ちょっと原典にあたって抜粋してみる。少しだけ。3名ほど
釣りとか川遊びとかは、音楽する人間はしておいた方がいいと思う。川遊びといっても手ですくってカジカを捕ったりするくらいのことなんですが。でも川辺にいると、虫も来るし、風も吹く。都会でただ演奏しているだけでは、自然の中で培われる想像力が育たないから。その程度です。
アンコールを自ら弾いたりとかいうような目立つことは、僕はちょっと苦手です。
僕の場合、外に出ないで、独りで本を読んで音楽聴いて一日家に籠っていても全然退屈しない性格なので。
◆余裕ができるとどのように過ごされていますか?
◇もうのんびりしていますね。ボーッとしています。のんびり砂浜や防波堤から投げ釣りをして、釣れても釣れなくてもいいんです。ずっと海を見てぼんやりしているのが好きです。
ぼーっとしています、ありましたな。当方の記憶違いだった。
沁みるね。
組織と関わって自分を失わない、というのはこういう方々です。
数は少ない。
音楽やってる人は、いつも自分自身と向き合っていますから、こういう感受性がある方が多いんですね。
組織にしがみついて自分自身の不在から逃避しているのが大方です。