啓発舎

マジすか? マジすよ

「顔面フル装備」女史が最後の辞任のあいさつで居並ぶ自衛官に「あなたがたは私の誇りです」と言ったというので、空気読めてないと、テレビのキャスターがかみついた、らしい。


なにを言うか。

空気は、そもそも気体だから読む必要はないどころか、そもそも読めない、みえない。コメント屋は、女の劣情を刺戟することだけが存在意義であるので、論評に値しない。


本題はそんなことではない。
触発されて思い出したことがあるので書く。


時は1970年ほとんど半世紀前だ。
場所は市ヶ谷の防衛庁本館前。

同じように居並ぶ現役自衛官を前に、演説をする男がいた。

構図は同じだが、いきさつはだいぶ違っていて、こいつは、司令官を人質にとって、無理やり兵隊を中庭に引っ張りだし、一方的にまくしたてたのであった。

なんだか、おれと一緒に蹶起しようとか言ってるらしいが、聞かされる方は、当然、かっこつけていい気になりやがって、と怒号で応酬、演説は、ほとんど聞こえない。
「偉そうになんだ」「降りて来いよ」などのヤジも記録されている。
挑発にのって中庭に移動したら、三島の死因はかわったはずだ。
袋叩きによる撲殺じゃ、カッコ悪いよな。三島には似合ってるが。

ところで、今回の「顔面・・・」は、さすがになんだ、稲田女史、と三島の兵隊ごっこでは設定はまるで違うが、しぶしぶ集まった自衛官に有無を言わさず流し込む、という絵柄は全く一緒、無理やりへたな義太夫を聞かせる「寝床構造」としておれが今定式化した。
違いは、三島には「オカマのヒステリー(©青島幸男)」とヤジれるが、稲田には「帰れブス」と真意を表明できないことだけだ。
誰だって、こんな奴相手に真実を吐露して首になどなりたくありません。


直接の親分である制服組トップの首を取られてさぞかし無念であろう、悪意みなぎる、と拝察します、聴衆を前に「みなさんはわたしの誇りです」と言い切る稲田はえらい。天晴れである。
都議選の「自衛隊が応援します」も一緒で、なんか、自分の中では一体になってるんだろうね。


 これを一言、勘違い、でずますことも可能だが、稲田の男気、男ではないか、狂気、じゃない、侠気、とは言うことはできないでせうか。


できねえか。