◆ニコールキッドマンの「誘う女」を途中までみて、断念。
暑さのせい、ということにしよう。
この人、なにかに似ている、そうだ、北欧家具だ、とわかってもやもやが晴れたのが収穫だ。
IKEAにそびえる白木の戸棚。のような。
かっこいい、という意味です、念のため。
電信柱とは、たとえ思ってもいわない。
というのは、こないだ届いた岩波書店「図書」第八二三号を読んで思うところがあったからだ。
最近の連載はカスだらけなのだが、ひとつだけ面白がある。
高橋三千綱さんの闘病記。
自分をつきはなすことでユーモアがうまれる。筆を抑えるから、おれなんかと違ってお品がある。
それで、今回、こんなくだりがあった。
病院で書き上げた原稿に、一面識もない文芸雑誌の女性編集長から「あんたは女性差別主義者か」といわれなき非難を受けた、と。
以下、抜粋。
私は論文を書いたのではない。
「『女は無遠慮に太っている。多分前世は岩なのだろう』とたった一行書いただけじゃないか」
命を削って書いた原稿が権威をひけらかす女性編集長との闘いとなり、私はマラリア熱に犯された気分になった。
抜粋おわり。
「前世は岩」のセンスには脱帽だ。おれなど到底思いつかない。
輪廻転生は男女はおろか生物無生物の垣根も超える、という真理が高橋先生の筆により今回明らかになった。
生きていないから無生物だろう、生きてないのに死ねるのか、死なないのに転生するのか、などと無粋なことを言う奴に窮理の資格はない。
そこで早速おいらも、前生は電信・・・、と便乗する手もあるのだが、さすがに、ちょっと、それは。というわけ。
いつかどっかで使ってみるかもしれない。