啓発舎

マジすか? マジすよ

「美術と金」の特集を経済三誌のどれだかでやってるのを図書館で読んで、昔を思い出した。
「日経あーと」というのを当時とっていて、これが無類に面白かった。
「あーと」を金の側面からだけ見る、という徹底した編集方針だった。
バブルの真っただ中。
静岡の紙やのおやじがピカソを競り落として、自分が死んだら一緒に火葬にするとかいって、欧米美術界が恐慌をきたしたとか、レイトンハウスだとかイ、アイの高橋とか、サラ金オーナーの美術狂いとか、都市銀が美術品担保で貸しまくる、とか、文字通り景気の良い記事が満載だった。
銀座通りを歩けば、ルネイカールだのカシミールだかなんだかバスターキートンみたいな帽子をかぶった女の絵ばかりかく奴とかビュッフェとか、その類の「売り絵」のキャッチセールスで袖引っ張られる、そんな時代でありました。
後ろのほうに、オークション情報とかあって、ゼロのいっぱいついた数字が並んでいた。
朝、立ち食いそば屋で偶然会った取引先から「頼む今日1日だけ✖★億隠してくんないか」と、真顔で懇願されたことがあった。当時営業だったし、それに近い商売をしていなかったとは言えない身ではありましたが。


月並みだが、今昔の感、とはこういうことでしょうね。


いま、美術と金がナウいぜ、と唐突にいわれてもなあ。


当時をみてますからねえ、こっちは。