啓発舎

マジすか? マジすよ

大久保も二度目なので、少し退いて見ることができた。
主流はとなりの国だが、東南アジア諸国の勢力も感じられる。
もちろん大陸方面は、ここにも。いまや、偏在といっていいでしょう、この国の人々は。


なんとなく薄汚く感じられるのは、ゴミがそこここに落ちていることですね。
あと、即物的な、コンクリートむき出しの建物群。
一歩はいるとホテル街。


話は飛ぶが、NHKの小室哲也浦沢直樹の対談はスリリングだった。
この10曲シリーズといい、達人といい、NHKは、ワイルドですねこのところ。
二人キャスティングして自由にしゃべらせる。
よいのは、もちろん編集はしているのだろうけれど、結構、抜け、というか、おいおいという発言をむき出しているところ。
当然、出来はキャスティング次第で、はずれもあるのだが、最近だと、清水ミチコとロボット学者のやつなんか面白かった。
ロボット野郎の変な奴 ぶりが、じわじわあぶりだされていくんですね。
清水の功績が大きい。退いて、観察する。

また飛んでしまった。小室浦沢までもどす。
これはまた妙な組み合わせ。
浦沢はNHKにかわいがられている。
こないだも、佐野元春と二人でニューヨークという番組があって、音楽の嗜好を知ることができた。
ミュージック フロム ビッグピンクなんて、渋好みだぜ。
おれとは微妙にずれる。ストーンズあたりまでは共有するが、おれは、ザバンド、ディラン方面にはいかなかった。
まあ、通、ですよ、彼は。

それがよりによって小室と音楽の話をする。
ディランと小室の遭遇。
妙な顔合わせですよ。
それもそのはず、たまたま中学が同じだった、ということがきっかけのようだ。


当然全然折り合わなかった。
なごやかなれど終始すれ違い。
それがよかった。


浦沢は、ディランどころか、中島みゆきをぶっこんできましたから。
これは小室に対する非難か、侮蔑か。
対し、小室は、あろうことか、10曲のうち、半分ぐらい、自作。
浦沢は、それに全然反応しない。小室の楽曲自体に対する直接の感想なり、言及を注意深く避ける。

小室に対しては多言を弄するには及ばない。
当時から、全然だめだった、おれは。
というより、きちんと音楽に向き合っている人間に、あれは耐えられない、当時でも。
カラオケが、だから、時に苦痛だった。
必ずだれかやる、例のスリーコードのさびを延々つなげる例のやつを。
長えし。


番組の収穫は、小室のルーツがユーロビートだったとわかったこと。
これは腑に落ちた。そうだったか。ロンドンのごみを日本に輸入したんだね。
ユーロビートは世界の音楽を一回ぶっ壊しましたから。
打ち込みと、ワンパターンの単純なコード進行と、金切り声と過激な映像があれば、ガキはいちころよ、という。
小室はこれだったか。

この流れのメインストリームは日本でも健在で、任意のジャリ集団がぜんぶそれだ。
性別によって家元は異なる。女は秋元、男はジャニーズ。


浦沢は硬派だから、耐えられないだろうね。
音楽を、歌詞で聴く人ですから。


というわけで、浦沢はいい奴だ。
20世紀もモンスターも、実は読んでいないが。



で、この、小室のかんじですね、大久保は。
話は、冒頭と、ちゃんとつながる。