3月3日付け読売の編集手帳。
好投していた松本幸行投手が一球の失投で逆転を喫し、中日が負けた。今晩は寝ずに、自分のピッチングを考えろ――与那嶺要監督はロッカールームで松本投手を怒鳴(どな)ろうと思った◆ハワイ出身、日系2世の与那嶺監督の日本語はあまり流暢(りゅうちょう)ではない。「松本、今晩は(絶句)」。その場の誰もが敗戦投手に挨拶(あいさつ)する監督を不思議がった と。
◆そうだったのか、と膝を打った読者はそれがしだけではあるまい。
この国で、こんばんは・・・といえば、その次に来るのは「ラッシャー木村です」に決まっている。
「とりあえず」、のあとは「ビール」、の比ではない。
国民常識とまでなったこの名言の淵源をたどれば、ここに行きつくのか。
「松本、今晩は」
◆ラッシャーは、この故事を胸に秘め仕掛けるチャンスを待っていたんだね。
天然とか、ボケとか言っていたオレを含めた一億国民よ、猛省せよ。
ラッシャー木村は、ギャグを計算できる男だ。
というわけで、おやすみなさい。