啓発舎

マジすか? マジすよ

穏やかな週末

◆午前中にたまった仕事をすます。
 下北沢のパートナーと電話で情報交換。人々のデフレ意欲のすさまじさについて。若い人たちは、ほんとにものが買えないんだそうだ。
 当方の手を染めている分野でも、供給過多ががいよいよ鮮明になってきた。装置産業なので本来20〜30年ぐらいを展望しないといけないのだが、3年5年後どうなっているかわからない。圧倒的な競争優位の条件を具備しないと。いまは、体力をつけながら待つ、というのが賢い選択。
◆ワイン一杯サービスのちらしにつられ近所のイタリアンへ。
 吉田栄作似のウエイターが一生懸命対応。顔が似てるとしぐさも似るのか、大仰で、まあ、いいか。
 1000円のランチプレート。リゾット。味、とことん普通。オーナーシェフだろうか、カウンターの向かいのおにいさんは、常連客と声高に談笑。
 この手の店は、淘汰されたはずではなかっただろうか。
 わざわざ拙宅のポストにまで投げ入れるコストをかけて客寄せして、これではきびしいぞ。
 北里の前の通りなど、3カ月単位ぐらいで店が入れ替わる。ミシュランに、星はないが紹介されていたフレンチも、昼のメニューに2000円台を追加したようだ。
◆これもご近所のパティスリー・プティ・ビシュというお菓子やさんでミルフィユ。440円とお安くはないのだが、これはお値打ち。
◆帰って、少しギター、バッハ。木の音を聞く。


 くろがねの秋の風鈴鳴りにけり

 これは、甘美な句です。豊穣。

 そこに、空があり、時がある。あるいは流れあるいは凍り、意識が時空に溶け込む甘美な瞬間。

 17文字で言いきっている。

 この句は、読む者の意識を、確実に、より静謐な地平にいざなう。



 突然だが、この句が浮かんだ。なんだか、ほっとした。