きのう、昼、例によってトホホ気分で新丸と丸ビルの間の長い横断歩道を渡っていたら、道路の真ん中にある、島というんだろうか、安全地帯で信号が赤になり、普段よりずいぶん長く待ちぼうけになった。
デモ隊の時間調整のようだ。シュプレヒコールらしい人が唱和する遠い声とともに、なにやら笛太鼓の音が聞える。次第に近づくにつれ、チンドン屋だということがわかった。
和装の三人組。大太鼓、鉦、サックス、という不動のトリオ。適度にやさぐれた感じから、デモ隊メンバーのボランティアではなく、正真正銘のプロとみた。
これが、大企業は派遣切りをやめろ、などの勇壮なシュプレヒコールの伴奏を奏でている。
いや、むしろ、チンドン屋が主旋律でデモ隊が合いの手、という表現のほうが、より事態を正確に捉えていると言えよう。
どうでもいいか。
ともあれ、この隊列が広いみゆきどおりを渡る一部始終をまのあたりにし、なんだか、すこし、元気がでた。
チンドン屋がデモ隊を先導するというのは、粋、だと思う。
みんな助け合って、仲良くくらしたほうがいいよな、と、なんだか、しみじみ思った。