20日。
常照寺の花供養に出かける。
朝から春らしい少し霞みのかかったいいお天気。
花供養とは。以下、常照寺の紹介文より。
学問寺である一方、天下の名姑として有名な吉野太夫ゆかりの寺としても有名です。光悦の縁故により日乾上人に帰依し、僅か年齢23歳の時に朱塗りの山門を寄進しています。それが今に残る「吉野門」です。吉野は容色の美はいうに及ばず、和歌、連歌、俳句、書、茶湯、香道、囲碁などあらゆる諸芸に優れ、その名声は遠く中国にまで喧伝されたということです。また夫である豪商灰屋紹益とのロマンスも有名で歌舞伎の演目になっているほどです。
また太夫を偲んで植えられたという吉野桜が満開の頃の4月の第3日曜日には、島原の太夫道中や境内の随所に野点茶席が設けられる「花供養」が行われます。
というわけで、朝10時すぎ、太夫に扮したきれいどころが、常照寺まで練り歩く催しがあるのです。
花魁道中みたいなもの。
10時ごろ到着。既に善男善女が、道の両側で陣取りしています。平均年齢60才ぐらいか。
おまわりさんが交通整理。
すこし時間があるので光悦寺の入り口までいってみる。
光悦寺には2年ぐらいまえに行ったことがある。参道の細いアプローチを越えると腰掛待合のようなところがあって、たまた手にしていた発泡酒でしばし休憩。
いや、いいですね。
一般道は混んでいるので、常照寺の山門の中で待ち受けることにする。
野点の茶席(5000円!)があるせいか、和装の御婦人多し。
私は、素直に、好きです、和服の御婦人が大勢いるところ、というのは。
大勢、というところが急所。大勢だと、景色になる。個別だと、属人性が問われる。
肝心の太夫ですが、3人連なって行進します、ぞれぞれ、かむろ、傘を差し掛ける男衆などを従えて。
太夫役の方はいずれもきりっとした別嬪さんです。
コケティッシュなところがちっともなくて、むしろ、ストイックな、厳粛な表情。
素足です。
30センチはあろうかという履物を履いて、例の歩き方で、しずしずと進んでこられます。
あでやかというより、宗教行事のよう。
素直に、心打たれました。
このあと献茶とか、野点でお点前とか、太夫にはお仕事があるようですが、当方はこの辺りで失礼しました。
しょうざん、で、軽く昼。
その名も「わかどり」という鶏料理屋。値段相応。ビール。
ひろいものは、お庭。
石、苔。
石は迫力あります。品もあるほうだと思います。
すぐとなりが、どぎつい結婚式場。奥にはボーリング場もあるそうな。
ただだから、まあいいか。
北山進々堂で、お茶。
京都府立植物園。
クスノキ並木。
桜は、遅咲きの樹で満開のものもありました。
半木の道。ここは葉桜。それなりにいいもんです。
春の柔らかな陽光。空気。風。
なんだか、このところ、毎週北山界隈の散策だな。
住むしかないな。