銀座と上海はどっちがナウいか。
という設問、たとえば。
「ナウい」のものさしは、いまやもう、グローバル。
既に世界の中心は、アジア、銭だのヒトだのは中国、したがって、上海あたりが、グローバル価値基準の中心だろ、という見立て。
行ったことないが。
なんか、キューポラみたいな、シュールなビルだらけ、という印象だが、これなんか、ナウの象徴じゃ。
落ち目の島国一族が起死回生を狙うには、これをがんがん導入して銀座をナウくすることだ。
四丁目の日産のあとにできた建造物なんか、いい線いってる。
三信ビルをぶっこわして建てたのも、いいかんじだ。正面が裏口みたいな意匠なんか、キッチュでナイスだ。
日本橋の、なんちゃってお江戸趣味も、捨てがたい。
この、外人を引っかけるための「なんちゃって」ジャポニズムが、いつしか、ほかならぬ、この島国の善男善女をも、洗練、日本万歳、と、うっとりさせる日が来るのか、と日本橋に三井が二つ三つおっ立てた、ビルをのぞいて思ったのが、おととしぐらいだった。
いつしか、と。
いつしか、が、既に、になるのに、わずか1年だ。
3年後どうなるか、もう怖くて見通せない。