紅白雑感
新年早々、柄にもない、この私が、紅白に言及する。
今回の紅白がよかったのは、歌手でもなく、司会でもなく、ましてや段取りだの演出だの、事務方の手柄などではない。
むしろ、例年どおりギミック満載、還暦老人には、きつかった、体に。
今回の手柄は、あげて、ハプニング様に帰する。
それまで、台本どおりに進んでいたのが、桑田にユーミン乱入で、やにわに乱調をきたす。
そこで、なにが出現したか。
ほんもの、ということであります。
ほんもの、の迫力。
音楽が、ほんものだったころ。
昔はよかった、の懐古趣味、ではない。
◆ギミック
◆あてがいぶち
◆アジア化
◆打ち込み
◆Jpopマンネリコード進行
◆学芸会
◆数頼み
◆じゃり
に汚染された空気を、じいさんばあさんが吹き飛ばした。
桑田のじっちゃんと、荒井んとこのばあさまが。
桑田を生でみたのは、後にも先にも、コマバの学園祭、だから、78年か79年、おいらはもちろんのこと、桑田もまだ青学の学生だったんではなかろうか。
すこし、色物感があった。こんなに大きくなるとは全然思わなかった。
以来、しばらく、横からみてました。
ヌードマンは、すこしびっくりだった。
荒井由実は、なんども言うがはじめの三部作、あと、ひとつとんで、紅孔雀、か、紅雀か、ぐらい、売れ行きよくなかったようだが。そのあとはほぼ没交渉。
だが、この三部作のインパクトは凄かったですよ。
以来40年、この国の音楽シーンは、ゴミを量産してきた、と、そういうことです。
小室、秋元はじめ。
ゴミの分別は趣味じゃないので、これ以上論及しない。
世代論とも、すこし違うと思う。
じじいだから、昔はよかった、というのとは。
バブル前期ぐらいまでの、この国がいちばん生き生きしていた時代の空気を、ジャリは知らない。大人の多くも忘れている。
桑田荒井コンビは、つかの間、それを、その時空間を提示してみせた。
それが、今回の紅白の歴史的意義。