啓発舎

マジすか? マジすよ

鈴本から今帰ってきた。

いやあ、びっくり。

最後に行ったのがいつだか忘れたが、ずいぶん前であることは間違いない。
それにしても。

当方が通っていた時分とは大違い。


みんな、やたらにうまい。

ほんとに驚嘆した。

落     語  春風亭 一    左
ジャグリング  ス ト レ ー ト 松 浦
落     語  古今亭 菊 之 丞
落     語  入船亭 
漫     才  ホ ン キ ー ト ン ク
落     語  林  家 正    蔵
落     語  柳  家 権 太 楼
三味線漫談  三遊亭 小 円 歌
落     語  春風亭 一    朝
曲  独  楽  世    津    子
落     語  春風亭 三    朝
落     語  柳  家 さ ん 喬
も の ま ね  江戸家 小    猫
落     語  春風亭 一 之 輔

余韻が残っているうちに、感想。

改めて振り返ると、びっくりの過半は、菊之丞に帰すことができる。
前座をいれても四番目だから早い出番だ。
噺は、親子酒を端折りながらきちんとつとめましたというところだが、なんといっても、酒飲みの口説の鮮やかさ。


いやあうまいもんだ。
これで度肝を抜かれたのです。
音楽してましたね。
ろれつの回らない酔っ払いのやりとりをいつまでも聴いていたい、と心底思ったぜ。

基本リアリズムなのだが、役者の演技ではない、話芸ならではの味わいがある。
この人、テレビで何回かみたことがって、おやまっぽい芸風だ、とだけ漠然と思っていたのだが、そして今回の酔っ払いも、無骨なおやじというよりは、からむサラリーマン、という風情も少しあったかもしれないが、その絶妙な、リアリズムとデフォルメの行き来のスリリングさ、かたかなが多くなったが、見事なもんだ、ほんと、引き込まれた。

昼席の開始直後1時すぎにこれ聞かされた日にゃ、次になにが出るか、と期待はいやますばかりだ。

その期待にたがわず、扇遊さんの安定感一朝さんの歯切れのよさ。
むかしのよしみ、権太楼さん喬の両師匠。


権太楼さんの代書屋のキャラの極端な対比、さん喬師匠の、声を落としてつぶやく、ほとんど聞き取れない!どろぼうの描写。噺家が聞こえないレベルの音量で語るのは、度胸が要ると思うよ。


おなか一杯です。


小猫は、むかしの小猫のせがれか。おやじより面白いぞ。間がいいぞ。


一之輔はいつもどおり達者でした。唐茄子やをみっちりやった。
うまい。
かしこい人です。年を経てばかになれるタイプではなさそうだ。小朝談志のパターンか。
肌合いレベルの好みはしかたがない、人におしつけることはできない。
人気はうなずけるが、当方が論評しないほうがよさそうだ。


こぶ平を生で初めて見たが、このメンツにまじってやらせるのは気の毒だ。
二代目、三代目か、の悲劇。
なんで、えー、えーを連発するの。落語家か司会者かわからんぞ。



今日のメンツにトホホは期待できない。
寄席は、こういう方向ですか。時代の流れでしょうね。
20日までやってる。
ひょっとしたらまた行くかもしれない。