啓発舎

マジすか? マジすよ

BSでカサブランカ

名画だ。びっくり。
昔、テレビでみた。
ストーリーもいくつかのシーンも記憶にあったので、通してみていることは間違いない。
そのときは、退屈だった。
もともと恋愛映画はまるでダメだし、展開も緩慢でかったるい、古色蒼然。という印象。


今回みて。
ある程度の年にならないとわからない映画、なり、本なり、はあるもんですよ。


恋愛映画だなんて、とんでもない。
これは、世の中を見尽くした男の諦念の物語です。
この映画のボガードは、平知盛みたいな奴だ。
いろいろありました。いまになってみると、イズムも理想も、ましてや色恋などどうでもよろしい。
お迎えがくるまで生きるだけだ。
諦念の安らぎであります。トホホと言い換えてもいい。
それを、ボガードは、淡々と、退いて、抑えて、正確に演じていた。
ボガードがやると、トホホにも気品が漂う。
名優であります。


イングリッドバーグマンと相方の俳優は、刺身のツマでした。
夫婦漫才、それも、ふつうは亭主がバカで女房が利巧という役割分担だが、このコンビは両方バカなので、二人で映ると間抜けで、ダレる。

バーグマンが去っていくのをボガードが見守る例の場面がラストシーンだと思い込んでいたが、とんでもない、首尾よく二人組を飛行機に乗っけて厄介払いして、ボガードが警察署長と友情を確認して歩み去り、エンドマークがでる、という終わり方だった。
これぞまさしくハッピーエンド。


ボギー、おれも男だ、とおいらも言いたいところだが、まだまだ貫目がたりません。