啓発舎

マジすか? マジすよ

今読んでいる本の話。

文明論の概略を読む 丸山真男 岩波新書
寝る前に手探りでそこらの軽い、というのは重量です、本を手に取る。たまたま命中したのがこれ。
奥付をみると86年の初版だkら、たぶんそのころ買ったんだね。上、中のみで、下が欠。

で、その「中」を読んでいるのだが、無類に面白い。
福沢の冷笑癖を面白がる丸山を面白がるおれ。
特に、「智徳の弁」について語るあたり。
偽善者はありえても、「偽智者」はありえない。「善」を装うことはできても、「現実に智があるような顔をしても、テストをしてみれば、すぐにバレてしまいます」。と、福沢さんを注釈する丸山さんは語る。
美辞麗句を並び立てて人道主義のチャンピオンを気取ることはできても、リーマン予測を証明したと欺くことはできない、検証すればすぐバレる、と、おれが解釈する。


あまり強く膝を打ったので、お皿がじんじんするぜ。


巷は、この偽善者が佃煮状態だ。


じゃあ、露悪ならいいか、というと、トランプじじいをよししょすることになるし、なあ。

で、あいも変わらずトランプねた。
今朝読んだFTは、FTにしては珍しく「エレガント」をかなぐり捨てた直球のトランプ攻撃。
浮かび上がるのは、正面から打ち掛かればかかるほど、相手はすり抜ける。
のみならず、攻撃する側のある種の「倨傲さ」が浮かび上がる構図。
FTが高慢ちきなのはいまに始まったことではないが、むしろ、キザとかペダントリーとかを「優雅」と勘違いして標榜しているぐらいであるが、その芸風を捨て
「(トランプが勝てば)西側のいう価値観はただの偽善だという彼らの考えが正しかったことが立証される」と。

いくらなんでもそれはないだろう、と。
西側の価値観こそ絶対正義だ、と。


おれは、なんども言うがトランプの政策という名のもとの与太を支持しない。
あいつの今言ってることが全部実現したら世界はお先真っ暗だ。おそらく自分でも自分の言ってることをまるで信じていないと思うが。


では、それに対抗する「西側の価値観」はどうか。

男と女は違う。おフランスと日本の昔からの文化も違う、違うが両方かけがえなく美しい。イスラムキリスト教生活様式はとことん違う。
これを否定してグローバリズムだかなんだかの寝言で世界を灰色一色で覆う流れが、いまの「西側の価値観」だ。

これでいいのか。
ホントにいいのか。


違いを認めつつそれぞれの文化圏で静かに暮らす。
これぞみんなが平和に生きる途じゃないのか。


と、グローバリズムにアンチを突きつけた、という点については、おれは中西部のレッドネックのおやじと似た料簡であることは認めないわけにはいかない。